つれづれなるままに

　風邪が治ったので、三日ぶりに幼稚園にやることにした。ノンもその気で出席ノートを見た

りしていた。

　ノンが行ってしばらくして雨が降り出した。ちょうど買い物に行くところだったので、つい

でに幼稚園にレインコートを持って行ってやろうということになった。

　母ちゃんは車の中にいて、私だけが幼稚園の中に入っていった。するとノンと同じクラスの

子供たちが５、６人くらい玄関のところで遊んでいた。そこに担任の先生もいたので、レイン

コートを持ってきたことを伝えた。

　その様子を職員室から見ていたのか園長先生が飛んできた。あいさつもそこそこに

『おうちにいるときは大変だったでしょう？』

と言うので、病気で寝ていたときのことを言ってるのかなあ…？と思ったけど、ちょっと様子

が違う。

『ご迷惑をお掛けしているんでしょう？』

とおずおずと言うと、

『いろいろなことにたくさん興味があってあちこちに出かけていきます。だから家にいるとき

は大変だったろうと…』

『私は仕事に行っていたので、母が大変だったと思います。』

『おばあちゃんは本当に大変だったと思いますよ～。がんばられたんですね～。私たちもがん

ばります。はい』

　顔は笑っていたけど、かなり手こずっているというのがとてもよくわかった。ノンは一体幼

稚園で何をしているんだ。

　よろしくお願いします。というのがやっとで、がっかりして車に戻った。母ちゃんに話すと

『しようがないんじゃない。ノンの父ちゃんは面倒見きれないといって途中で退園させられた

し、アンタは先生の言うこと聞かずに外に立たされてたし。ＤＮＡだからしかたないね。早め

にお菓子持ってゴマすっとかんと。』

と言ってケラケラ笑う。
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　昼前にノンが幼稚園バスで帰ってきた。本人は満足げに帰ってきたけど、心なしか先生の顔

が怒っているように見えたんだけど…、気のせいであったらいいなあ。バスに乗るときにまた

暴れたんだろうなあ。

　怖いけど連絡ノートを見た。『たまにかんしゃくを起こすことがありますが…』みたいなこ

とが書いてあった。やっぱり家と変わらない生活をしているのかこいつは。
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　昼ご飯を食べようとしているときにダンナから電話があった。

『ノンは…』

と言い終わらないうちに、今日のことをベラベラ言った。それを聞いてダンナは、

『すぐ菓子折持って行かんばね』

と大笑いした。狼狽えるわけでもなく大笑いしている…。さすが退園になったやつは違う。