つれづれなるままに

　転院して２回目の妊婦健診になった。

幼稚園に行くのと同じでこれもまた頭痛の種。いろいろ工夫はしているつもりだけど、なかな

か血圧が下がらない。そして、体重も増えない。今までは体重が増えないのはいいことだと思

っていたけど、赤ちゃんが大きくならないんじゃそうも言っていられない。

　病院に着いたらもう午後も過ぎていたので、がらんとしていた。この前とは大違いだ。

　すぐに助産師さんから呼ばれていろいろと測定した。子宮底を測るときなんかものすごく痛

かった。すると助産師さんが

『おしっこ近い？』

と聞いてきたので

『はい、とても近いです』

と答えたら

『赤ちゃんの頭がもうはまり込んでいているね。今から体操をして赤ちゃんをお腹の中に戻そ

うね。そうしないと切迫早産になって早くに赤ちゃんを出さなきゃいけなくなるから。』

なんだかよくわからないけど、その体操をがんばるしかないと思って一生懸命にした。

　約３０分、またお腹を触った助産師さんが

『お腹の中に戻ったね。ほら、ここが頭ですよ』

といって、私の手をお腹に触らせた。あんまりぴんと来なかった。

　でもその助産師さんはすごくベテランみたいで、この人の言うこと聞いていれば間違いない

なあと思った。

　次に先生に呼ばれて診察してもらった。

『薬飲んでも血圧変わらないねえ…。このまま様子みましょう。』

と言っただけだったので、気になっていることを聞いた。

『赤ちゃん、小さめなんですよね？』

すると

『そうですね。今は小さめです。でもお母さんの体重も増えて赤ちゃんも大きくなっているの

で心配ないですよ。でももし大きくなりきれなかったら早めに入院して経過観察になると思い

ます。だから手術の日はまだ流動的ですね。』

　早めに入院なんてしたくないので、先生と助産師さんの言うこと聞いて生活するしかない

な。ダンナとノンには迷惑かけられないもんね…。

　診察が終わってまだ助産師さんに呼ばれていろいろな食事指導があったが、私がもうやめて

いることばかりだった。でもバターを使うのはやめようと思った。

　病院からの帰り、なかなか大きくならない赤ちゃんに申し訳なくて涙が出た。血流が悪いと

赤ちゃんが大きくならないらしい。

　その夜、夢を見た。

　たくさんいる赤ちゃんの中から私が一人の男の子の赤ちゃんを選んで抱っこした。

その夢の中で私は『ちゃーちゃん家においで』と言って、連れて行って用意していた服を着せ

たり、ノンのお下がりを着せたりしていた。目がくりくりしていて、ニコニコしている赤ちゃ

んだった。その子がお腹の中の子かなあ…。だといいなあ…。