つれづれなるままに

　手術前日という実感がわかず、点滴と寝不足であんまりすっきりしない。

夜の１０時くらいにエアコンがきれるので寝苦しい。

早く産んで家に帰りたい。

　でも同室の人たちとだいぶん話すようになった。こうやってママ友ってできるのかなあ。

私は人見知りせずに話すのが苦手なので、今回は同室の人に恵まれた。

と思っていたら助産師さんが

『個室あきましたよ～。昼からうつりましょうね～』

と言ってきた。

名残惜しいけど、気を遣わなくてすむのでホッとした。

　ノンたちは今日も来てくれた。

やっぱりノンの顔を見るとうれしい。『ちゃーちゃん』と言われると、この子のために生きな

きゃと思う。

　今日はもう一つこう思うことがあった。

お腹の張り止めの点滴を打ち出してからチビは寝てばかり。『元気がないわけじゃないです

よ』と言われるけど私にとっては気が気じゃない。

今日の朝もモニターをつけたけど、あいかわらず寝ていた。

そこで『ゲンちゃん、ゲンちゃん…』と呼んでみた。

　実はダンナと入院する車の中で赤ちゃんの名前になって『とにかく元気で産まれてきてほし

い』という２人の願いで『ゲン』『ゲンタ』『ゲンキ』の３つが候補に挙がっていた。

するとボコボコ急に動き出して針の動きも激しくなった。

すごい!!この調子だ!!ゲンちゃん！

この子も元気に産まれてきて４人で楽しく暮らそうと思った。

　ノンたちが帰った後、個室に移り、毛ぞりもしたし、なんとシャワーも浴びられた。

手術の説明も聞いて、いよいよ明日か～と思うようになってきた。

不安もあるけど楽しみも出てきた。



　夕方５時半。あと少しで食事か。でもなんか胃もたれしてむかむかする、と思ってゴロゴロ

していたけど全くおさまらない。

昼食を消化できていない感じ。しかしこの時点で血圧は上がり、上が２１０だったので点滴が

増えた。

なんかすごく辛い。ダンナとノンとゲンの名前ばかり呼んでいた。

夕食も当然食べる元気もなく、ふうふう言いながらうなっていた。

　夜７時半ごろ、吐き気がきて思いきり戻した。これで少しに楽になった。

　８時過ぎ弟夫婦が来た。管だらけの私にちょっと驚いていた。

でもたわいもないおしゃべりをしていたら気持ちが紛れた。

『明日チビを見に来るね』と言って小一時間くらいで帰って行った。

　夜中、やっとウ○コが出た。これですっきり。

久々ぐっすり寝ることができた。