つれづれなるままに

　
　まだ起きあがるときに痛いが、なんとか大丈夫という感じ。

今日は点滴をとってシャワーが浴びられる。

そして今日こそはゲンに逢いに行かないと。

　血圧も少し安定し…と言っても他の人よりは高いのかもしれないけど車いすで会いに行って

いいと許可が出た。

　未熟児室に入るときは手洗いを徹底し、「車いすでもいいですよ」と言われたけど、病弱な

ちゃーちゃんを見せるわけにはいかないと思って「いえ大丈夫です」と言って歩いていった。

　たくさんの赤ちゃんが保育器にいて規模の大きさがわかった。

『うちには県内はもちろん久留米や佐賀からも来るんですよ』

と助産師さんが言っていたのがよくわかった。

　ゲンがいた。

光線の治療を受けていたらしく目が覆われてあった。すぐに目隠しを取ってくれた。

赤ちゃんというよりヒトという感じだったが、のびをしたりあくびをしたり「生きてるゾ」と

主張しているようだった。

　看護師さんが来て

『とても元気に泣いていますよ～。乳首を吸うのが上手なんですよ。』

とゲンの顔の半分くらいの乳首をチューチュー吸うらしい。

いじらしくて神秘的で２０分くらい涙が止まらなかった。

　今日は８９２グラム。ミルクはまだ飲んでいなかった。

触ってもいいとのことだったので、また手洗いをして保育器の中に手を入れた。

私たちがケガをして再生したばかりのような皮膚をしている。

腕を触るともぞもぞとくすぐったさそうにした。

『今笑ってますね～』

と看護師さん。

早く大きくなってほしい。

お家で一緒に遊ぼうね。

　夕方、ダンナとまた行った。

ゲンは目を開けていた。よく泣いていた。

ダンナは初めてゲンの泣き声を聞いたらしく感慨深げだった。

う～ん、それにしても名前が決まらない…。