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結果がわかることは書けませんが、無茶苦茶消化不良じゃないですか村上さん、楽に書き終わっていない?と感じるには理系の私の弱点なのかもしれません。 もしかして読解力がある文系の方であれば村上さんの回答ははっきりと本文中に記述してあり理解できるのかもしれません。もしくは読者が最終的な結論を自由裁量できる選択肢を与えた高等技術なのかもしれません。私にとって最大の問題は「ナカタさん」ですが、他にも何人かの登場人物が正体を明らかにせず物語が終わっていきます…あんなに長編なのに。 物語は二人の主人公、15歳の家出少年田村カフカと中野区に住む老人ナカタさんの物語。一章ごとに交互に主人公が交代して話が進んでいきます。もし村上さんのノルウェイの森だけを読んでこの本に入っていたら混乱したでしょう、東京奇談集と言う短編を間に読んでいた事がこの本を読んでも混乱しなくて済んだ大きな助けとなりました。 村上さんはこの小説で「メタファー」という言葉を多用しています。いろんな解釈ができる単語でしょう、パラレル・ワールド、双子のパラドックス…いずれにしても科学的とも哲学的ともいえる仮定です。ノルウェイの森は精神的な面での混乱を表現していましたが現実離れと言う事はありませんでした。しかし海辺のカフカは明らかに小説でしか実現、体感できない非現実…いえ、よっぽどの偶然が無ければ遭遇する事が出来ない現実なのかもしれません。とにかく不思議な世界に読者を連れて行ってくれます。 他人に推薦できる本か。 読んでいる途中はとても面白いですよ。表現力も豊かです。ただ、純文学的な作風を求める人にはとてもお勧めできません。一方でSF小説が好きな人にとってはどうでしょう、物足りないかもしれません。最後に爽快感が無いからかもしれません。ハッピーエンドなのかどうかもわかりづらいですからね。村上春樹さんの本を始めて読む人にはあまりお勧めができません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 14, 2011 09:43:43 PM
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