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今回は、「福袋本」の著者との私見の相違点を明らかにしようと思います。
「バリュー投資は簡単」-本書は初心者にバリュー投資を説明することを目的にしていますので、「バリュー投資は難しい」と言ってしまうと話が終わってしまいます。従って著者の本音は分かりませんが、バリュー投資がグロース投資より簡単と言い切ってしまうことには抵抗があります。 バリュー投資でもグロース投資でも、基本的な考え方を押さえることは難しくありません。ただ、グロース投資については誤った考え方(著者流に言うと「雑音」)が多いのも事実だと思います。 「バリュー指数とグロース指数」-これは著者の私見というよりは指数の問題なのですが、PBRが低いものをバリュー、高いものをグロースと言い切ってしまうのは、グロース派にとっては抵抗があります。 PBRが低いのは資産に対して割安という意味で、高いのは割高という意味です。低PBRがバリューというのはまさにその通りなのですが、高PBRは「逆バリュー」ということしか意味しません。成長性がなくても割高な株は存在しますから。 従ってこの指数に比較はバリュー投資の有用性を証明することにはなっても、グロース投資がバリュー投資より有用でないことを証明したことにはなりません。 「テクニカルは無用」-著者は本当にテクニカルを無視しているとは思えません。本書の中で株式市場のアノマリーについて肯定的に紹介していますが、過去の値動きから将来を予測するという意味ではアノマリーもテクニカル分析の一部だと思われるからです。 本書はその価格自体がバリューであり、初心者にも読みやすい本にしたいという意図が十分感じられました。全体的には良書だと思います。 物足りない部分もいくつかありましたが、初心者向けであることと紙数・価格から考えれば、著者が全てのネタばらしをしていないことも当然だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.01.30 23:36:39
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