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カテゴリ:レッスン風景
音楽は、表現することです。 「こう弾きたい」というイメージが あるかないかでは 雲泥の差が出ます。 というわけで うちのクラスの生徒さん達には 何かしらイメージを持ってもらうべく 言葉かけをしております。 『オルガンピアノの本』の中には タイトルのある曲もありますが 「れんしゅうきょく」とだけ書かれた短い曲が、 2曲に1曲くらいの割合で出てきます。 タイトルが無くても、それなり構成を考えて きれいに弾こうとする子は良いのですが 「あ、練習用の曲ね。」と いかにも 気持ちの入らない弾き方をするEくん。 生き物大好きで、よく動物図鑑を持ち歩き 鳥も魚も いっぱい名前を知っている男の子です。 将来クジラやイルカを飼うのが夢らしい。 そこで、なめらかな動きのフレーズを指して 「これ、鳥が飛んでいるみたいだよね、 Eくん、どんな鳥だと思う?」 と聞いてみました。 動物博士のEくん、しばし真剣に考えて 『…つばめ。』 なるほど、そういえば つばめが「つーい」と すべるように飛行している感じがあります。 「つばめ!ぴったりだね。 初めのここは 草原の上を飛んでいる感じかな?」 『うん。』 「じゃあ、左手の音が変わるここは 違う場所を飛んでいるよね。ここはどんな場所?」 『うーん、河の上を飛んでいるところかな。』 (伴奏が、一度から属七へ変化している部分。 緊張感を感じたようです。) 「そういえば、ここも違う場所だよね。(四度の和音) ふわ~っと浮き上がる感じがする。」 『高い木を 大きく飛び越えているところ』 だんだん、イメージがわいてきたようで 弾き方が変わってきます。 ツバメが滑空するように、 メロディーは よりなめらかにのびのびと。 左手の伴奏も、響きの変化を意識し始めました。 今日のレッスンはここまで。 翌週のレッスンで、 Eくん命名の『ツバメ』は生き生きと飛びました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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