ＭＹ研究所

レッスンを始めた時から　練習をしっかりやってくる
　「弾く事が好き」という才能を持っている
或いは
レッスンを始めた時点から　歯磨きや食事と同様
　『やるのが当たり前』と　ごく自然に習慣付けてしまう
　（ただし口出し・手出しは　ほとんど無し）親御さんのお子さん

こういうタイプの生徒さんは
つまずくことなく、順調にレッスンが進みますが
はっきり言って、超・少数派です。
　　　　　　　　
大抵、初めの頃は　親御さんに練習を見てもらい
「そろそろ自分でやらせてみよう」と
親御さんが離れた時、急にできなくなります。
上達のペースが落ち、練習量も減ったことに気付き、
この辺りで「練習させなくては」とあせり始める親御さん。
で、「練習しなさい」と言われて　しぶしぶ弾く。
これが　一番多いようです。

まあ　そのような、自分からは練習しなかった子が
どういうきっかけで　自分から練習するようになったのか
レッスンしている側としては　何となく
「あれかな？」という心当たりはあります。
しかし、
実際のところ　本人に聞いて確かめたわけではありません。

というわけで、聞いてみました。

Kちゃん（現在中学2年）
幼稚園からレッスンに通いはじめ
小学校低学年までは、お母様がみっちり見ていたものの
そこからは「練習しなさい」というだけになり
練習量は減って、とろとろペースに。
しかし、ある時期から　自主的に練習するようになり
今は「練習が好き」と　公言しています。

――きっかけは？

「憧れの曲を弾かせてもらえたから。」
『エリーゼのために』とか『小犬のワルツ』とか
憧れの名曲って、ありますね。
その時の実力からすると、厳しいかなー
よほど頑張らないと弾けないなあ。と思いつつ
本人が初めて自分から『弾きたい』と言った曲なので
やらせてみたのです。ただし
やる以上は【なんとか形になれば】ではなく、
手加減抜きで　きちんと音楽的に完成させる。

本人の弾けるようになりたいというモティベーション
これに乗っかる形で、
より美しい音、音楽の流れ、バランス
どんどん要求しました。
同じ曲でも、弾き方ひとつで　印象が変わる。
こだわれば　こだわるほど、美しくなっていく。
こういう経験をしたことで、目覚めたのですね、音楽に。

そういう【運命の一曲】に出会えたことが
彼女の転機だったようです。