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カテゴリ:レッスン風景
小学2年生のIちゃん。 現在弾いている曲は『ヘ長調』の曲で まず、ヘ長調でテーマを弾き 中間で短調~長調と変化し 初めのテーマに戻って終わる形式です。 短調になるところは P で弾くように指示がありますが I ちゃん、何故か気合が入って元気よく弾いてしまう。 というわけで、まずIちゃんに この短調になった部分の印象を聞いてみたところ 「暗い。悲しい」 というお返事が返ってきました。 うん、それで P なのでしょうね。 ところで、その「悲しい」はどういう『悲しい』なの? I ちゃんが悲しい時って、どんな時? 「寝坊して、お母さんに怒られた時。」 …うん、小学2年生の悲しいはシンプルです。 「友達とケンカしちゃった時とか…」 あ、そうね。そちらの方が 深みがあっていいかも。 ケンカしたけれど私も悪かったなあ。 言いすぎちゃったかもしれない。 このまま仲直りできなかったら悲しい… という気持ちで弾くと、ぴったりかな。 もう一度弾いてもらうと P になる最初の1小節は、とても気持ちのこもった音に。 しかし、4小節の間にcrescendoしていってしまう。 (crescendo クレッシェンド:だんだん強くしていく) Crescendoがいけないわけではないのですが I ちゃんのcrescendoは 『ごめんね。ごめんってば。私が悪うございました!』 …だんだん、怒ってきているように聞こえるのです。 真似して弾いてみせると、 I ちゃん 「なんか、口先だけで本当に悪いと思ってないみたい…。」 うん、crescendoで気持ちを伝える方法はあるけど 怒って聞こえないように弾こうと思ったら、 かなり注意して弾かないとね。 逆にdiminuendoした方が上手く表現できるなら (diminuendo ディミヌエンド:だんだん弱くしていく) diminuendoするのも、いいかもしれないよ。 I ちゃん、両方試してみて diminuendoの方が上手く伝わると感じたようです。 気持ちを音に変える時は、よく耳を澄まして。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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