|
カテゴリ:レッスン風景
原典版の楽譜を使うことが増えてきてから 生徒さんの弾く曲に対しても かなり自由に考えられるようになりました。 昔は「ここまでスラー、ここはスタッカート」 と楽譜に書かれていたら、 その通り弾くように意識してもらいましたし 模範(?)奏してみせていました。 でも、本来無かったスラーやスタッカート それこそ、バロック作品ともなりますと、 本によっての差が とんでもなく広がりまして この本ではノンレガートなのに あちらの本では1フレーズのレガート奏 そちらでは2つのフレーズのレガート奏と 演奏への指示が、てんでバラバラでして 教える側にとっても、ややこしいことこの上なしです。 近現代は、作曲家がかなりきっちり「こう弾け」と 書き込んだ楽譜なので、楽譜の指示は厳守してもらいますが 古典派くらいまでは、 「あなたがそう弾きたいならどうぞ」 と、かなり生徒さんの自由に任せるようになりました。 ただし、条件があります。 「なんとなくつなげる、なんとなく切る、は禁止。」 このフレーズは絶対一呼吸で弾きたい このフレーズは軽やかに1音1音弾ませたい そういう意思を持って弾くなら 楽譜と違っていてもOKなのです。 ここはハ長調で弾きやすいからレガートで、 ここはト長調で弾きにくいから、切って弾く そういう理由で変えてしまうのはNG。 不思議なことに 自由にしていいよ、と言った方が 生徒さんは、むしろ楽譜をよく見てくれるし あまり勝手に変えないで弾いてきます。 自由であることは、自分の弾き方に責任を持つこと。 それが大変さでもあり 楽しさでもあるのですよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|