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テーマ:☆健康のおはなし☆(15)
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牛乳を飲んではいけないという主張があります。
「なぜ人間だけが乳離れをしないのだ?」 「人間がどうして牛の乳を飲まなければならないのだ?」 これらはきわめて情緒的な表現であって、それだけを根拠に牛乳を否定するのはちょっと乱暴な気がします。 私が考えるに、牛乳の主な問題点は3つあります。 ・乳糖を分解する能力の問題 ・食生活のアンバランスの問題 ・牛乳の質の問題 乳離れはなぜ起こるのでしょうか。それは純粋に人間の生理的変化によるものです。乳製品に特有の乳糖を分解する酵素ラクターゼは離乳期に急激に減少します。ラクターゼが減って乳糖が分解できないと、おなかがゴロゴロしたり、腸内で悪玉菌が増えたりします。 特に伝統的に牛乳を飲んでいない民族にこの傾向は顕著で、日本人の場合は80%前後がラクターゼが少ないと言われます。アメリカ白人やスイス人、スウェーデン人の場合はラクターゼが多く、乳糖を消化しやすい体質となります。 日本人の多くが処理できる乳糖の量は1日に最大でも牛乳400ml分が限界なので、まず牛乳を飲むとしても通常は200ml程度にとどめておいたほうが賢明でしょう。ちなみに乳幼児は腸が未発達で牛乳の異種タンパクを消化しきれないので牛乳を与えてはいけません。 牛乳を否定する書物を読みますと、牛乳を飲んでいる子供にアトピーやアレルギーが多く、集中力不足や多動などの異常行動を示すようになり、カルシウムはむしろ不足して骨が弱くなると書かれています。これは牛乳の問題というよりも、食生活全般の問題ではないかと思います。 アレルギーが増えるのは昨日書いたようにαリノレン酸の相対的不足が大きな原因になります。牛乳にはαリノレン酸もリノール酸もあまり入っていません。ところが牛乳を飲むと満腹感が出て他の食事があまり食べられません。カルシウムを日本人の所要量とされている600mgをとるためには牛乳を600ml飲む必要があり、それだけ牛乳を飲めば他の食事が減ってあたりまえです。 その結果カルシウムやαリノレン酸の不足を招き、集中力不足や多動、アトピーやアレルギーの原因となるのではないでしょうか。 牛乳を飲むのであれば、通常の食事をしっかり食べた後、食後に飲むのが望ましいということです。もちろんそのときは牛乳の分だけ摂取カロリーが増えますので、肥満にならないように注意してください。 最後に質の問題。牛乳でとれる栄養の多くは、牛乳以外でとったほうが効率的です。でも牛乳にもすばらしい特徴があります。それは乳酸菌やヨーグルト菌のような有用菌を含んでいるということです。長寿地域でヨーグルトが好まれることがあるのはこれが理由です。 ところが日本の牛乳の97%は高温殺菌されており、これらの有用菌も皆殺しになっています。さらに高温殺菌されると牛乳の吸収率は10分の1以下になってしまい、ビタミンC・E・Dの量もがっくり減ります。これではいくら牛乳に栄養があり、有用菌も含まれていようと、私たちの口に入る頃にはすでにカスになっています。 ですから牛乳を飲むのであれば、低温殺菌の牛乳に限ると考えてください。また腸内の有用菌を増やす目的でヨーグルトを食べるのであれば、食後では間に合いません。私だったら午後の食間に食べるでしょう。朝食でとるのはお勧めできません。(理由はまた近いうちに) 以上をまとめますと、牛乳を飲む場合の注意点は 1.1日に200ml以上は飲まない。 2.他の食品を食べた後、食後に飲む。 3.低温殺菌の牛乳を選ぶ。 4.小さな子供には飲ませない。 の4つになります。 ちなみに牛乳程度の栄養は他の食品でいくらでも補えるので、牛乳が好きでない人は飲まないほうがいいでしょう。もし私に子供がいたとすれば、学校給食でも牛乳は残すように指導するかもしれません。少なくとも高温殺菌牛乳であるのだけは事実ですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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