日本男子バレーが北京五輪出場を決めた。
１６年ぶりの五輪出場を決めるまでには、想像を絶する苦労が
あったに違いない。
きっと本番ではここぞという場面で今までと違う
展開で熱くさせてくれると期待しますよ。

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高校総体も終盤を迎える。

今日はあちこちで決勝戦が行われ、高校バレーも
各地で優勝校が決定した。

コマユのヌマッチョ高校は、先週の試合で敗退したため
今日の決勝戦は観客席で観戦したそうな。

とはいえ、ヌマッチョ高校男子バレー部だってベスト１６に
残る成績を収めることができた。

ほんの２、３年前まではチームを組むことさえできないので
他校との合同チームだったらしい。

それが、ようやく校内だけで１チームが組めるようになり
部活動っぽくなってきた。
顧問も他校から赴任して、合宿を取り入れてチームワーク強化を
はかり休日の練習もどんどん充実して実力をつけていったそうな。

それでも、男子バレー部には越えられない壁がある。

女子バレー部である。

コマユが入部して和気あいあいの男子バレー部で
楽しい高校生活を送る一方で、

女子バレー部はいつも気合いが入った練習が体育館越しに
伝わってくる。

体育館越し？？？

そう。女子バレー部と男子バレー部は同じ体育館で
練習はしていない。

男子バレー部は第一体育館。
バスケや卓球などなど他の部活と曜日を調整して公平に
体育館を使用する。

かたや。

女子バレー部は第二体育館。

専用体育館である。

なので、一般の生徒は第二体育館へ入ることはない。

放課後になると、第二体育館からは気合の入った声が
聞こえてくる。

「いえね、声というよりね、雄たけびじゃね。」

「たとえばね、『いえっっっ！』」
「これはね、サーブを打ったときじゃと思う。」

「たとえばね、『いおっっっ！』」
「これはね、ポイントが入ったときじゃと思う。」

「とにかくね、一瞬の雄たけびってのが特徴じゃね。」
「短いんよ。短く大きくリズミカル。」

「ほいでね、練習が終わったら全員で歌を歌って解散。」
「なんかね、女子バレー部の歌があるんよ。」

へーそー。

ようやく人数がそろってチームが軌道に乗りかけた
男子チームとは違って女子チームは春高バレー参加候補に
入るレベルだから、当たり前といえば当たり前。

ところが。

どういうわけか、女子バレーのホーム第二体育館に
男子バレー部がお邪魔する時がやってきた。

他校チームを招いての練習試合に第二体育館をつかわせて
もらえるというありがたい機会をいただいたそうな。

その第二体育館は、バレーコートが常設してあり
いつでも練習可能である。
また、体操部と共同使用なので反対側にはマットが
埋め込んである。
ヌマッチョ高校は、女子バレー、体操、水泳、サッカーなど
部活で名をはせる体育コースがあるため
専用の練習場が設けてある。

その体育コースの聖地を使わせてもらえるなんて
なんてありがたいことなんでしょ。

コマユたち、そろりそろりと第二体育館へ足を踏み入れる。

「うわぁ・・・・。」

「いいねぇ・・・。」

専用の練習場に思わず声がこぼれる。

「・・・えっ？！」

「あれ何？！」

コートの一角に設置されたそれは。

「な、なんか、バッティングマシンみたいなのが！」

「す、すげぇ！！」

そ。バッティングマシンみたいに
バレーボールがポーンポーンとマシンの中心から
出てきてレシーブの練習をするマシンなんだな。

「こんなん、初めてみたね。」

「うん、女子バレー、すごいね。」

さらに。

体育館には横断幕が張られていた。

『球道　即　人生』

「きゅうどうそくじんせい？？？」

「女子、生まれた時から即バレーやってたってか？！」

男子バレー部、アウェイで女子に圧倒される。

男バレ　めげるな。

でも多分それ、

『きゅうどう　すなわち　じんせい』

だと思うな。（勉強しろ）