ずっと前から新しいのが欲しくって欲しくって
おねだり攻撃でやっと新品の財布をゲットしたコマユは
昨日から嬉しくってテンションが上がり気味。
財布を買うなら縁起がいいのは春だろうよ。
でもコマユにはそんなの関係ねぇ。
自ら選んだヴィヴィアンウエストウッドは
どっちかいうとピチピチ女子高生のアイテムだろうよ。
でもコマユにはそんなの関係ねぇ。
コマユ、誰かに見せたくなってきた。
「チイヤに見せちゃお♪」
携帯で画像を撮って、そのまんまチイヤに送っちゃった。
知らないっと。
しばらくして、チイヤからメールが返ってきた。
フォルダを開いたコマユ、メールを見て思わず叫ぶ。
「あぁっ!!」
どしたん? 何をそんなに慌ててるんかね。
「どどどど、どうしよう!」
「チイヤに見せるんじゃなかった。」
「なんか機嫌がムチャクチャ悪いんですけど。」
「なななな、なんて返事したらいいんじゃろう。」
どれどれ。見せてごらん。
「こ、こんなんが返ってきたよ~~~~」
みた。
それは、チイヤからコマユへのこんなメール。
件名:なし
本文:自慢かよッッ
それ自分で買ったんかっ
「ねっ!? 絶対機嫌が悪いに決まっとる!」
「あー! どうしよう!!」
どうしようったってさ、「自分で買ったんかっ」って
聞かれたんじゃけぇ、正直に「おねだりして買ってもらった。」って
返事すりゃいいじゃん。
「そんなことしたら!!」
「たちまちアイリにまで伝わってしまうし!」
「あっ!もしかしたらもう教えてるかも!」
「あの二人、今はなにげに仲良くなっとるし!」
「一緒に住んどった頃はあんなに仲悪かったのに。」
「だってチイヤのメール、ちっちゃい「ッ」が二つもあったし。」
「やめときゃよかった。」
「あーつい見せびらかしたくなったけどやるんじゃなかった。」
好きにすれば。
ほんっっとに後悔したらしく、しばらく考えたコマユは
返事をしないで放置することにしたらしい。
「・・・えっと。
『サーバーの調子が悪くてメールが届いたのに
気づきませんでした。』
・・・というメールをほとぼりが冷めたころに送ることにする。」
あ、そ。
じゃ、あたしが本当のことを教えてやるよ。(鬼母)