何日か前にベランダの天井部分にでっかい虫がはりついているのを
コマユが見つけて叫んだ。

「な、なんか変な虫がおる！！」

うにょうにょするのも、ブンブン飛ぶのも、
虫が超苦手なコマユは茶の間からガラス越しに見えたベランダの
変な虫にびっくらこいていた。

「じゃ、取れば？？」

「いやよ！！！」

ちっ。いくじなしが。

******************************

その後はすっかり忘れていたけど
洗濯物を干そうとベランダに出た時に窓のサッシの近くに
ぴろーんと伸びた触覚と長い手足がめっさ至近距離で視野に入ったそれって。

「うわあああああ！」

あたしだって虫は苦手なんですよ。
３０センチくらいのとこですよ。
思わず叫んでしまったんですわ。

なんの虫かわからんのですが、一生懸命壁をよいしょよいしょと
のぼってるところ。

よいしょよいしょとのぼってるように見えて、
実は途中で手足がプルプルしたかと思うとベランダの床に
ぽとっと落ちる。

もいっかい。

よいしょよいしょとのぼってるように見えて、
実は途中で手足がプルプルしたかと思うとベランダの床に
ぽとっと落ちる。

あれれ。
猛暑でかなり弱ったってか。

でもさ、ここのぼっても外には出られないよ。
天井で陽をよけていたいのかね。

飛ぶ気はなさそうなのでここはスルーして洗濯物を干す。

そのまま部屋に引っ込んだ。

あとは知らないっと。

***************************

部活がすんで帰ってきたコマユに

「ねー、みてみて。」と携帯の画像を開いて
見せる。

こういう時って、『ダ』のけったいな新商品が多いもんだから
今回もそう思ったんだろう。

「何？また変なもん？？」

携帯の画像を最大にして目の前に持ってった。

「うわああああああああ！！」

「変なもんじゃなくて変な虫。」
「あれからベランダに住みついとるみたいよ。」
「弱って外に出られないみたい。」

「・・・お願いだからどこかへやってくれ。」

「そりゃ無理ですがな。あんなに大きいのあたしだって
つかめませんがな。」

で、コマユのやつ これでもかというくらいに
洗濯物をパタパタして虫が紛れ込んでいないか
チェックをいれましたがな。（自分のだけ）

ちっ。いくじなしが。

そういや今日の雷と夕立ちで溺れちゃったかも。
（ベランダで）