３学期制の学校では、そろそろ中間試験がやってくる。

試験前の部活おさめとくれば、練習も有効に使いたいもの。
コマユはただいま高校２年生、試験がすんだら
修学旅行に行く予定。

男子バレー部、通称男バレはサーブの練習中。

創部数年目、弱小男子バレー部といっても
少しずつレベルはあがっていって先月の市立大会では
初優勝ですよ。

もう弱小なんて呼ばせませんことよ。

「あっちの壁にあててみよっと。」

「おい、まじめにしようで。」

これこれ。
強くなったからってふざけちゃいかんよ。

『球道即ち人生』をモットーとする女バレと違って
なんと手ぬるいことよ。

ぶぁしーーーー！！

男バレの一人、思いっきり壁にむかって
サーブを打つ。

ばんっ！！　

壁に真横に当たってはねかえるかと思ったら
ちょい床に逸れてしまった。

ばたん！　ぴきっ。

それたボールは床に落ちたわけでなく壁面の消火器に
命中し、消火器は音をたてて倒れた。
そう、ばたん、ぴきって。

ん？　ぴきっ？？

ぷしゅーーーーーーーーーーーーーーーー！！

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さて。

バレーボールをめちゃ当てられて倒れた消火器、
倒れたはずみで取っ手にくっついてるピンまで
引っ張られてはずれた。

「・・・・・・なんでこうなるんじゃろう。」

ピンがはずれて取っ手にあたったからだよ。

男バレ使用中のバレーコートの片面、
まっしろになった。

・・・・・ごしごし。

・・・・・ごしごし。

・・・・・ごしごし。

ふざけた男バレたち、今度は真面目に床のお掃除をする。

・・・・・ごしごし。

・・・・・ごしごし。

・・・・・ごしごし。

「・・・すみません。」

「・・・いいえ。」

雑巾で床の消火剤をふきとっている男バレを見かねて
卓球女子もヘルプに入ってくれた。

消火器は火に向けて噴射しませう。
コートに向けてはいけません。