コマユには将来の夢がある。

それは、バレーの選手になってスパイクを打ちまくるわけでない。
それは、野球の選手になって赤星さんのように盗塁しまくるわけではない。

コマユの将来の夢とは。

「ボクねぇ、本当はお姉ちゃんじゃなくお兄さんが欲しかった。」

あぁ、それはね、ないものねだりというのだよ。
どこでもききそうじゃね。

チイヤだって、自分が長女じゃなくて優しいお姉さんが欲しいって
言ってたし。
アイリだって、まんなかは長女のお下がりばかりでいやだって言うし。

あのね、今あたしがコマユのためにおにぃさんを産むのは
物理的に不可能じゃけどね、もしかしたら別のとこから
実はおにいさんですって人が現れる可能性はあるけどね。

現れるのをまってたけどちっともそんな気配はない。

そこへコマユの将来の夢はもう少し具体的に方向が変わる。

「チイヤはどんな人と結婚するんじゃろう。」

「なんか楽しみじゃのう。」

「先にね、うちに連れてくるじゃろうね。」

「その時はボクもおるけぇ教えてね。」

「絶対にお父さんがフキゲンになるけぇ。」

「お父さんがまん中で、両隣にボクとかぁさんがおるんよ。」

「ほいで、かぁさんが色々話題を振って会話が続くようにしてよ。」

「ボクは未来のお義兄さんの正面に座る。」

「ほいで、お義兄さんに向かって『がんばれ～がんばれ～』って
念を一生懸命に送るけぇ。」

「おとうさんがいくら無愛想でもボクがおったら少しはいいじゃろう。」

「チイヤ、早く結婚してボクにお義兄さんができんかのぅ。」

なるほどね。それなら実現しそうじゃね。

チイヤと結婚してくれたら 酔っ払いに嫌われますが
もれなくいくじなしが味方についてくれます。

お義兄さんになってくれる男子、求めます。