さて。
親というものは、子供がいくつになっても心配するものである。
いくつになっても・・・っても若干ハタチの小娘だからね、
おまけに一人暮らしで目が行き届くわけじゃないので
心配のタネは次から次へあらわれる。
このお正月、アイリから気になる相談があった。
「あのー、買いたいもんがあるんじゃけど。」
ん、なんなんだ。
今は自分の財布と相談して買ったらいいと思うが。
わざわざ相談したいものなんかね。
「・・・エステに行きよるんじゃけど。」
・・・エステ?! /(。□。ハ
「何回か、通ったんよ。」
「友だちの紹介で。」
「お正月に帰ったら『キレイになったね』って言われるようにって。」
はぁ。それで?
「そこで美顔器を使っとるんじゃけど。」
「それをうちで使いたい・・・。」
「今まではサービスでやってくれたけぇお金はかかってないんよ。」
・・・はぁ。
アイリの話はこうである。
紹介してくれた友人はアイリの専門学校時代の同級生である。
彼女もトリマーである。勤務先も似たような小規模店舗で収入は大差はないそうな。
その彼女はすでにその美顔器を購入ずみである。
自宅でも使う彼女は効果を実感している。
さらに。
アイリは冬場は肌が乾燥気味になる。
毎年、外では鼻が真っ赤になるのを気にしている。
美顔器を使用して、エステでマッサージを始めてからは
症状が緩和していた。
「ね?今年は鼻もほっぺたも大丈夫でしょ」
ほんとだ。
言われてみれば確かに、大雪で寒かった大晦日も気にならなかった。
んー、でもその美顔器、想像は大体つきますが・・・。
「さんじゅうま・・・」
はぁ??なんですと???
「・・・さんじゅうまん。」
さささ、さんじゅうまーん?!
さんじぇるまーんじゃなーくて、
さんじゅうまーん!!
(さんじぇるまんイミなし)
ぜったいに、ダメーーーーーッ!!
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・・・という一言は飲み込んだ。
キレイになりたいって気持ちは、大事にしたい。
気になる部分に効果があったら、買いたくはなるわな。
女の子になったんだね。
先に購入済みの友だちの話を聞いて自分も大丈夫と思うんだろうよ。
危なくはないけど、かなり厳しいね。
購入するとしたら、そのローンは長いね。
奨学金の返済もあるし。
国民年金減免は毎年手続きをしないといけない。
中途半端に基本給があがると認定されるとは限らないよ。
ローンは失業中も関係ないからね。
もし、美容院から販売店とか病院に転職する気になったら?
収入はなくても、奨学金とローンは返済しなくちゃ。
一概に反対はしないけどね、
奨学金の連帯保証人になってくれたのは誰だったかな、
ローンを最後まで責任もって払いきる覚悟があるなら何も言わないよ。
よく考えて、最後は自分で決めたらいいよ。
そう言って、帰りのバスを見送った。
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あれから一週間。
コマユの入試準備で頭から離れかけていたら
アイリからメールが届いた。
本文:年金の手続き、自分でせんといけんのよね?
どうやってするんかな。
美顔器は買わないことにしたよ。
・・・・ヨシッ!どうにかあきらめてくれた!(ホッ)
取り合えず安心。
いいよいいよ、手続きはこっちで調べてみるよ。
じゃ、お返事メールを送ろう。
返信:もう少し収入が増えた頃には もっといいのが出ると思うよ。
その時には安くなってるかもしれんし。
今は洗顔と保湿をきちんとやっておくといいよ。
どしても気になれば、キャンペーン中の単発の割引とか
回数券で利用するエステでプロがやってくれるのがお勧め
↑
何気に詳しいのは、リフトアップキャンペーン利用ずみだから。
ニャハ