大谷本廟を後にして、せっかくだから清水寺の桜を見ようと話はあっさりと決まった。
京都の地理がわからないけど、あたしよりも多少詳しいカヤコさんに全部お任せして
歩く歩く。
来た時とは違う門から出て、そのまんま坂道をてくてく歩いていくのだけど
道は細いし、坂は急になるし、ホントにこの道で合ってるのかい?
と疑ったりもしたけどカヤコさんは迷わず歩く歩く。
車一台も通れないような道幅で、左右はお墓。
ここらへんのお墓は特徴がある。
きのこ型のお墓が多いのは京都特有かな?
きのこみたいな丸いこんもりした傘をかぶったお墓がやたら目立った。
丸い傘と同様に多かったのが、かなり丈がある四角柱のお墓であった。
これらにはどのお墓にも『陸軍将校・・・』と軍人さんであったことが
一目でわかるお墓だった。
「若くに戦争で亡くなったんじゃねぇ。」
通りすぎながら、カヤコさんとそう話した。
一般的な胸あたりの高さのお墓に交じって、突き抜けた角柱型のお墓が
あちこちで目立っていたので、つい刻まれた故人の年齢を見てしまうのだ。
その多くが、コマユよりも年下だったのが悲しい。
今なら本音を口にできるけど、当時は国に命をささげるのが当然と
思われたんだろう。
「やっぱりね、日本人はまだまだ行かんといけんとこがいっぱいあるよ。」
「沖縄や知覧とか、展示物なのに鳥肌が立つほどなんよ。」
ほうじゃねぇ。
広島だけじゃないよね。知っておかないといけないことが
まだまだたくさんあるね。
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着きました。清水寺。
やっぱり、桜は満開。
五分咲きって聞いたけど、満開。
きれいきれい。
ときどき、強い風が吹く。
桜の花びらがふわーーーーーーーと舞う。
それはそれは、きれいなんですよ。
満開の桜。
・・・・・を撮るバアサンが一人。
しっかしね、なんでこんなに荷物が大きいの?
なるべく小さい方が動きやすいのに、どれ貸して見て・・・
ってか、重!!
一眼レフをショルダーバッグで肩から提げて
坂道もなんのそので歩くカヤコさんは頼もしいけど、
やっぱり心配だから、そのカメラのバッグ持つよ。
と、EOSの入ったショルダーを受け取ろうとしたら
「ええよ!これくらい重くないよ!」
そう手を横に振ってまたスタスタと先に歩いてしまった。
撮りたいものをすぐに撮りたいのか。元気じゃね。
音羽の滝。
延命の水、順番待ちの行列。
清水の舞台
・・・を下からうつす。
撮影。BYカヤコさん。
「ありゃあね、人物を入れる時はね、なるべく足元を少なめにするんよ。」
はい、あたしよりかなり上手です。さすが。
清水寺をあとにする頃には、とっくにお昼を過ぎていて
もう腹ヘリコプターだった。
二年坂、三年坂のあたりにいっぱい和食のお店があるというので
どこか途中寄っておいしいものを食べようねと話はまとまる。
うん、せっかくだから地元では食べられないものが食べたい。
にしんそばか、とうふ料理かな。湯葉とかあればもっといいな。
こういう時、あたしだったら行きたいお店を調べておくんだけど
ちょっと時間が足りなかった。
関西方面は久しぶりでじっくり調べる時間がなかったので
地図本だけそのまんま持参での旅行であった。
でも歩きながら、ゆっくり見る暇なんてそれこそないのよね。
目に付いた看板に吸い寄られてメニューを見て、
即、決めた。ここの2階。
行きあたりばったりだった割には、リーズナブルなお値段で安心した。
玄関前には順番待ちのベンチがあって、そこには和風の座布団が鎮座。
「これはね、和風座布団@200商品で五色アソートなんよ。」
「八本松の倉庫からやってきます。」
「ほらね。」
ほらね、のところで座布団のタグをカヤコさんに見せたら
確かに、「ダ」の社名が書いてあったよ。
ここ、うちのお子たちなら「言わんでいい。」と一喝されるけど
カヤコさんはまだ大丈夫。
「まぁ、よくわかるねぇ。」
えへへ、ビョーキですから。
お店の中は、少し一段落したのかすぐに席に通してもらえた。
他のお客の器をみたら清水焼の鮮やかな藍色の器で
とてもおいしそう。
で、注文した湯豆腐御膳がやってくるまえに
トイレをちょっと・・・
ドアをあけて、また見つけた。
チェック柄スリッパ@100ですね。
この秋の新柄じゃね。
神戸か神辺からやってくるどっちかだな。
湯葉の刺身がおいしかった。
生麩の田楽は思ったよりもやわらかい。
煮物にくっついてるよもぎやもみじの麩とは食感がかなり違った。
今度は汲み上げ湯葉も食べたいな。
普段、お昼は軽めなので(仕事中は動けなくなるので)
定食を食べるともたれるかと思ったけど
思ったよりすんなり完食。
お豆腐って食べてる時は気にならないのね。
支払いの頃にはちょいお腹が張ってきたけど、
この後もすぐに歩くので、なんのさっさとこなれてくるだろうよ。
次は円山公園だ