ショップメンバーの中には、マイカー通勤が何名かいる。

その一人、リン姐さんがいつもどおりに出勤中のこと。

このような事態が。

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事故ではない。

まだ道路で両手をあげてるおっさんも
芋洗坂係長ではない。

よくガソリンスタンドで給油したら
スタッフのおにぃさんが誘導してうまく車道に
割り込ませてくれるような、そんな感じの一コマであった。

駐車場から出てくる観光バス。

そう、道路でドライバーに向けて両手をあげて
大きく振るおじさんは学校の先生であった。

信号がない駐車場から遠足で生徒を乗せた観光バスが
道路に進入するために一時停止を呼び掛けていたのだった。

先生、遠足のためにわが身を危険にさらす姿
きっと生徒は感謝の気持ちで見ていたでしょう。
お疲れさまです。

さて、観光バスに順番をゆずって停止していたリン姐さん。

リン姐さんが見つめる先はここ。

バス車内の角っこに表示されたナンバー、
この数字はどんどん加算されていく。

『をいコラ中学！何組まであるんじゃい！！（怒）』

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朝っぱらからイライラしたリン姐さんだけど、
遅刻はせずにすんだ。

じつは、｢ダ」のショップメンバーは
フリーターや大学生もいるが、何といってもおばちゃん率が高い。

つまり、前職さまざまなおばちゃんが集まると
このバス通過についても面白い話が聞けた。

前職バスガイドのショップメンバーがいる。
今もそうなのかわからないけど、当時の話を聞いた。

「関西ではバスのナンバーとクラスは逆なんですよ。」

どゆことですか？

「８クラスあったらね、一組は８号車。八組が１号車、これが常識だったんです。」

なんでですか？

「京都とかね、神社や寺院は狭くて坂が多いので離合するのも大変なんです。」

「なので、先頭が８号車であと７台続きますからよろしくねみたいな暗黙のルールがあって。」

なるほどねー。
こっちでもそのルールならリン姐さんのイライラも少しは緩和されただろうに。
推定５～６台は通過したかと思われる。

「あとね、大体最初と最後はベテランがつくんです。」

「つまりね、一組と八組はドライバーとガイドはベテランね。」

「そして、二組、七組はヒヨっ子の初々しいガイドがついてベテランがカバー。」

「ガイドは先導もあるので地理を頭に入れておかないと、とんでもない方へ
連れて行きそうになることもあるんです。」

「ま、大体若くてきれいなバスガイドはまだ謙虚さもあるし、間違えても
『ごめんなさい』ですむんです。」

「私も二組の時代はあったけど、その時はチヤホヤされましたよ。」

「気がついたら一組になってた。」

「でもその頃は生徒に『はい、さっさと集合して！』って大声あげて
初々しさがいつのまにかなくなってたりして。」

はて。

思い出してみると、うちのお子たちは全員

６年１組だ。

    ・・・一組ガイドか。