たしか、キリンカップの時は予報は雨だった。
するとレインコートやポンチョがめっさ売れた。

新型インフルエンザ感染が報道されると
あっというまに品薄になったのはマスク。

嵐がテレビから飛び出す実験「３Ｄ映像生ライブ」の放送日の前の週は、
３Ｄメガネや赤と青のセロハンの問い合わせが相次いだ。

季節商品や行楽用品などは、毎年の売れ筋のピークがあり、
なんとなく発注のタイミングや売れ行きの回転も
ざっくり理解はしているけど、
たまに理由がわからないままに予期せぬピークを迎えるときがある。

ピークを迎えたアイテムは文具。

「ありゃあね、こがぁなのを入れる透明なのはどこかいね？」

お客さま、両手の親指と人差し指でちいさい四角をつくってみせた。
カードケースを買いにきたのかな。

「こちらの通路の左手に見えます。」

「３番の柱より少し奥の通路沿いにあるんですが。」

レジからそうご案内すると、

「あぁ、ほうね。行ってみるわ。」

片手をちゃっと上げてそのままメイン通路の奥に
消えちゃった。
場所、ちゃんとわかったかな。

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そして、文具コーナーでは。

モモティさんが、ファイルを陳列していたが、
声をかけられカードケースを売場までご案内。

その後、再びファイルケースを段ボールから出して陳列。

「おねぇさん、ビニールのケースはどこかいね。」

「はい、こちらです。どうぞ。」

モモティさん、手をとめて　売場までご案内。

（なんか今日はカードケースがよく売れるなぁ）

その後、再びファイルケースを・・・

「おねぇさん、ビニールのケースはどこかいね。」

（またかよ！！）

モモティさん、不思議に思いながらも
売場までご案内して再び商品出しを始める。
売れるケースはすべてＢ８サイズ。

よく売れるのはＡ４かＢ５のカードケースなのに
なぜに今名刺サイズ？？

「おねぇさん、こがぁなビニールのケースは・・・。」

（いったい何なんだ！！）

「こちらでよろしいですか？」

モモティさん、売場までご案内してお客さまに確認する。

「おおおお、ほうよ、ほうよ、これが入るのがあるかいのぅ。」

そして、お客さまが財布から取り出したのは
ぺらっぺらの紙切れ一枚。

・・・じゃなくて保険証。

「保険証が新しくなったんじゃが。」
「こぉなぁにちいそぉなって。」
「なくしてしまうのも心配じゃが。」
「なんか濡らしてしまいそうじゃに。」

カードケースを購入するのは年配のお客さま。
ああ、切り替わったけど、カードサイズだと紛失したり
汚したりが心配なわけね。なっとく。

うちの保険証はカードだけど、ぺらっぺらじゃない。
高齢者用の保険証だけが、どうやら紙でできているらしい。

「ああああああ！　きりがないほど聞かれるんじゃけど！」
「発注！　発注しとかんと！！」

モッティさん、いったん事務所に戻って
カードケースを追加発注した。

高齢者のみなさま、今ならまだあるよ。
汚す前に「ダ」のカードケースに入れておけば
１０５円で保管ができますよ。

　　 　カヤコさんのもぺらっぺら。