開店中にお客さまに混じって本社の者がやってくるのはよくある話。
前もってその事が伝えてあれば、その日出勤中のメンバーに
「本日○時、△△部の□□さんが来られます。」
「以前、▲▲の担当バイヤーだった方です。」などと
何かしら予備知識を頭に入れておく事ができるので
対応もスムーズにいくのだが、それは本社がらみの用件が
からむ場合の話である。
何かのついでに寄ったなんてこともしょっちゅうで、
あの店はどうせ行ってもつまんない店と思われ、足が遠のくよりは
ずっとずっと有難いことである。
建前は。
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「お疲れさまです。」
「ごぶさたしてまっす。」
「えっと~、僕の事覚えてますかね。」
(・・・・・・・・・。)
突如社員のモリモリさんに声をかけられた、ノガミさん固まる。
(えーと、わかる、うん、わかる、・・・。)
(でも、名前が出てこない・・・。)
(顔は覚えとるよ、でも、名前が・・・。)
「・・・マルマル部のモリモリです。」
確かに、ここ最近やってきてはメンバーに声をかけてくれる
モリモリさんだけど、まだグリャマンボ店での認知度は
新しい総理よりも低かった。
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そんなことがあって、
メンバーは社員情報を共有して顔と名前を
覚える努力をしようと今一度確認したのだった。
「モリモリさんて、最近夕方来られることが多くない?」
「私は知っとるけど、キヨサカさんは知らない?」
今までのメンバーは割と覚えてる方なんだけど
でも、モリモリさんの顔は思い出せなかった。
あたし会った事あるんかなぁ。
「ねー、ノガミさん。」
「モリモリさんってどんな感じの人かね?」
もしかしたら、聞いてみたら思い出せるかと思って
ノガミさんに聞いた答えが。
「んー、イナモトがちょっとぽっちゃりしたかんじ。」
頭にぽわーんと思い浮かべながら
ぽっちゃり感を出してモリモリさんを想像してお絵かきしてみた。
「キヨサカさん! 誰これ!?」
「いや、あの、あんまり似てないけど・・・。」
「イナモトジュンイチってこれでほっそりした感じじゃないかいね。」
「 くーりーすーますきゃろるがー♪
って歌う人じゃろ?」
「それ稲垣潤一!」
・・・稲本潤一って誰?(ごめんね)
サッカーはカズとヒデしか知らない。