ベンチがアホやから…
「ベンチがアホやから野球ができへん」とは、阪神タイガース史に残る三大名言の一つ(あと二つは「ハンシンファンハ、イチバンヤー」「縦縞を横縞にしてでも(西武からFAした清原を)獲りたい」)ですが、どこの職場にも当てはまるのではないでしょうか。ここ最近、ウチの職員室もそうだということに気がつき始めました。 で、このベンチとはズバリ職員室のナンバー2(♀)なんです。具体的には「本来の自分の仕事を下っ端に丸投げしてくる」わけで。この世界は年配の女性が多く、そういう傾向を持った人は割と多いのですが、「同じ学年の仕事を分担しましょう」ではなく、自分の力不足でこなしきれない仕事を“こっそりと他の人の見ていないところで”よこして下さいます。 まあ、去年の今頃は「何かとお世話になっているし、パソコン仕事ならそんなに負担にもならないし」と個人的な好意でやっていたのですが、だんだん「あなたがやる仕事だよ」みたいな言われ方をされるようになって、「/佐\さんは担任も成績付けもなくって職員室で一番ヒマなんだから、これぐらいやって当然」みたいな意味のことも言われ、他の先生からは「それはあなたがやる仕事じゃない」との意見も頂き。あげく「私が印刷機を回し始めたら、その場で手伝いに来ないとダメ」とまでぬかしやがりまして、こちらの堪忍袋の緒もどこかへはじけ飛んでしまいました。で、他の先生に言った言葉が「今日は/佐\さん、機嫌が悪いみたいよねえ」。 ウチはこういう組織である以上、ナンバー2の席を空席にしておく訳にはいかなくて、その椅子にはカカシなりダルマなり置物でも置いとかなくてはなりません。で、ウチの置物は体型もさることながら、「できることなら自分は他の仕事に手も足も出したくない」という正真正銘の“ダルマ”なんです。その上、仕事が遅い上にミスも多い。学校便りでも平気で子どもの名前の漢字を間違えてたり、日付や年度の間違いもあったりして非常に恥ずかしい。 その事を自覚してか、棚に上げてか、校務分掌に「庶務係」なんてのを作って、自分に逆らえなさそうな人間をそのポジションにつけて、自分の手伝いをさせる魂胆なんです。 これだけならただの「ダメ上司」ですが、この“ダルマ”は非常に「いっちょかみ」でもありまして。職員室での遠くの席での会話(雑談含む)にも割って入ってくるし、相談に乗っているようであんまり大したことを言わないし。ケータイの着メロを職員室に鳴り響かせるわ、よくわかんないハーブティーを入れたり、アロマオイルをまいたり。もう、そんなヒマがあったら、先にワシによこす仕事を片づけてくれよ、と。 私が1年目の時は、初任者ということでいろいろと「叱咤激励」から「励」を抜いたものを下さいました。「/佐\さんが実の息子のように思えて、かわいがってるんだよ」と他の先生は言ってましたが、実の息子のように思う前に“職場の人間”なんですよ。実の親子でも言わないような失礼な事も随分言われました。これ、男女が入れ替わってたら絶対セクハラやぞ、っていうことまで。大体、自分で「愛のムチ」なんて言う人間を信用できるかって。本当に全部真に受けてたら、精神的に追いつめられてこの仕事だけじゃなくて生活ができなくなりそうです。 とにかく、この“ダルマ”とは合わない。飲み会でよくこの不満をぶちまけているせいか、最近はワタシと“ダルマ”の馬の合わなさ加減が職員室に知れ渡ってきました。もう酒の力を借りなくても、しらふで平然と言ってのけそうな自分が恐いです。他の学校にトレードされる前には言っちゃおうかしら。