テーマ:映画レビュー(894)
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はだかに毛皮を着て、動物の角を被り物につけた好戦的な野蛮人。お金ですぐに傭兵となる信条のない民。これが、ケビン・コスナーのロビンフッドの映画に描かれている12世紀頃のケルト人の姿です。映画ではどこまで正しく時代考証されているかわからないけど、イギリスの文明国からの視点がうかがえます。
どうしても、よその国のことは単純に考えてしまいがちですが、アイルランドはケルトの単一民族国家ではありません。鉄器時代のケルト人、アングロ・サクソン人、10世紀のスカンジナビア人、無敵艦隊の時代のスペイン人、などが混じり合っていて、「血」ではなく、むしろ、「言葉」と「宗教」によって国としての一体感を保っている感じです。キリスト教の宗派の違いなどは、なかなか私たちには理解しがたいですが、西欧の歴史や民族を理解するうえで宗教は常に重要なポイントです。 そもそも、「ケルト」は20世紀に、ナショナリズムの高揚によってひとつのルーツを求め前面に押し出されたというのがほんとのところのようです。例えば、(時代が異なるけど)あなたは縄文人?と質問されたら?イエス!!弥生人?高麗人?大和民族?みんな、イエ~ス!! だから、フィドルでは、ケルトの音楽という言い方はしないで、アイルランドの音楽、スコットランドの音楽という言い方をします。そもそも、音楽は、古くてもせいぜい17,18世紀からのものですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年06月23日 10時50分21秒
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