『だんだん』105話[疑問の救命処置]
今日の「だんだん」、あまりな救命処置にびっくりでした。 めぐみが石橋さんをワイルドダックへ呼び出しました。そして、借金があることを確認しました。また、2ヶ月間、何をしてたかには触れず、故郷へ帰ろうとしたことばかりが強調され・・・フェリーへ乗る直前、ローン会社から催促の電話がきて、絶望的な気分になったんですって。それより、2ヶ月間、何してたのでしょう?! そして、突然、知らない客が倒れて、パニック。マスターがすぐ救急車を呼ぶと言ったのに、連れの女性は、それでも納得できないみたいで・・・まるで、飛行機に乗っている時みたいに「誰かお医者さん、いませんか?!」と何度も叫び・・・それに、答えるかのように、めぐみが「石橋さん!」と、石橋さんを促し・・・石橋さんとめぐみが、倒れてる男性に駆け寄りました。 心電図も見てないのに、ちょっとクビの脈(頚動脈)を診ただけで、石橋「もしかして、WPW症候群かな?」と病名まで分かってしまう名医でした(そんなバカな)。 「WPW症候群」とは、心臓自身には何らの異常がない人が、特有の心電図所見を示し、しばしば発作性心頻拍症を起こし、またこれらの心電図異常が突然 正常化する疾患だそうです。1930年、Wolff(ウルフ)、 Parkinson(パーキンソン)、 White(ホワイト)という3人の心臓病研究者が報告して以来、この疾患はこの3人の頭文字をとってWPW症候群と呼ばれるようになりました。 もし、本当にWPW症候群なら、きっとこういう発作も以前にあったのではないでしょうか?WPW症候群の人は、何度もこういう発作を繰り返すそうです。連れの女性も心臓が悪いと聞いていたそうだし・・・なのに、こんなにアタフタするのはヘンです。 石橋さんがした応急処置は、めぐみに命じて、ネクタイを緩めさせ、ズボンのベルトを緩めて、首を少しさすって、腕の脈を診ただけ。 WPW症候群の頻拍発作の治療方法は以下の通りです。 (1) 機械的迷走神経刺激 a. 頸動脈洞マッサージ:最初は右、無効の際は左の頸動脈洞マッサージを行います。 b. 眼球圧迫:最初は右、無効の際は左方の眼球を圧迫します。 c. Valsalva操作:声門を閉じて息を呼出させます。 d. Mueller操作:声門を閉じて、息を吸い込ませます。 (2) 薬理学的迷走神経刺激法;デスラノシドなどの即効性ジギタリス薬を静注します。 (3) ATP静注療法;アデホス、トリノシン(2ml;10,20,40mg)の5~10mgを3秒以内に速やかに静注します。 (4)抗不整脈薬 a. ベラパミル(ワソラン2ml、5mg):1回5mgを5分かけて静注します。 b. ジルチアゼム(ヘルベッサー1管10,50mg):1回10~20mgを3分かけて静注。 c. プロカインアミド(アミサリン1管125,250mg):500~1,000mgを50~100mg/分の速度で緩徐に静注。 d. ジソピラミド(リスモダンP1管5ml、50mg):1.5~2mg/kgを5分かけて静注。 e. シベンゾリン(シベノール1管5ml、70mg):1.5mg/kgを5分かけて静注。 (5)心房ペーシング:心房の頻回ペーシングを行います。 (6)直流ショック療法このうちの (1)a をしただけですね。せめて、b~d もして欲しかったですね。(2)~(6)は専門家でないと無理でしょう。急いで、病院へ連れて行かないと。 その上、駆けつけた救急車の隊員が、「適切な処置で、この処置がなければ危なかったかもしれない」なんて言うなんて!救急車の人は、日本では医者ではありません。病院へ着いて、医者の処置を受けてから、医者が言う言葉ですね。本当に、ずさんなシーンでした。 単に、石橋さんが医者に戻るために、心音をきっかけにしたかっただけでしょう(単なる予想です)。救命にあまり関係のない腕の脈拍を計るシーン、長くやってましたから。 康太とのぞみは、一条のおじいちゃんに会って、「着物の生地で、洋服を作る」という案を出しました。康太「古い着物を再利用して、ダンスや演劇の舞台衣装を作っちょるという話を耳にしたんです。 そういう海外公演の舞台衣装をきっかけにして、一条というブランドの洋服で、ヨーロッパに進出するというのは、どげでしょうか?」 まるで、夢のような話ですね。番頭の酒井さんは、一笑に付しましたが、おじいちゃんは笑いませんでした。一条「面白いがな。 これからは、いろいろな方面に視野を広げないとやっていけまへん。 ただ、そのアイディアは、長期に計画を練らんとな」 こういうアイディアは、実現にお金がかかりそうだと思うんですが・・・とにかく、康太はおじいちゃんに気に入ってもらえたようで、のぞみは嬉しそうでした。もしかして、康太が一条に婿養子? のぞみの襟替え直前の逃走で、花香ちゃんは、精神的ショックで、襟替えを迷っているようです。石橋さんもめぐみの解散騒動で退社し、借金が返せなくなってしまい・・・周りの人は、双子に迷惑を被って、苦労しています。でも、全然、責任を感じず、幸福そうに、他人の心配をしている双子が今日もちょっと・・・でした。それでは、また明日。 直近1週間のレビュー第99話[1/28(水)] 第100話[1/29(木)] 第101話[1/30(金)]第102話[1/31(土)] 第103話[2/2(月)] 第104話[2/3(火)] 初心者のACLS「高度救命処置」テキスト KK-0519-06応急処置用真空式固定具 Vキャストキット