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カテゴリ:朝ドラ「カーネーション」
総評の前に、最終回の感想の追加を書きたいと思います。 皆さんの感想などを伺って、再度、整理したいことがあるので。 まず気になる点、3点。 尾野編最終回と今回、同じようにだんじり祭りが出てきました。 私は尾野編の方が思い入れのある登場人物が多かったので、その人達とのお別れで切なさがありました。 今回は積み上げてきた話が薄いので、キャラに愛着が薄くて(^^;) 幽霊という事では、千代さんが見た善作さんの幽霊と、今度の糸子自身の幽霊がありますが、あれも千代さんが善作さんの幽霊にお酌する方が余程切ない感じがしました。 いない人も出すという点では、幽霊は便利ですね(笑)
ドラマの最後に、車椅子の女性が『カーネーション』の初回を見ていて、“ネバーエンディング・ストーリー”になりますが、これもよくある構成なので、「なるほど」と思った程度でした。 ただ、それを見ている人が奈津らしいというところが、私は感動しました。 最後に見ていた車椅子の女性は、奈津である可能性が高いです。 皆さんから寄せられた情報だと、 副音声で「頷く奈津」というナレーションが入ったそうです。 また、NHKの最終回イベントで奈津だと明かされ、それを演じていた人は、直子役・川崎亜沙美さんのお祖母さんだったそうです。 三姉妹はキャスト変わらず、若いままだったのに、奈津は江波さんから更に変わったんですよね(汗)
初回のドラマを誰に見させるか? これも、いろいろ考えられたと思います。 普通に考えられるのは、三姉妹達が喜びながら、お母ちゃんを思い出して涙ぐみながら見るという手もあるかもしれません。 でも、それだと、余韻は少ないでしょう。 人間は切ない方が心に残るもの。 私は、奈津が一番、相応しいと思います。 それも車椅子で病院で一人淋しく見る。 その切なさが夏木編の最終回に相応しかったと思います。 そして、糸子と奈津の友情で1本通すようで、このドラマのシメとしても相応しかったと思います。 糸子、念願が叶ってドラマになって良かったねという思いと、 昔を懐かしみながら、車椅子で施設で淋しく生きて行く奈津の今後を思うと、切なくなり・・・ 人生とは・・・と考えたくなります。
ただ、ドラマでは「奈津さん」と看護師は呼びかけなかったし、江波さんではなかったので、奈津だと気づかなかった方も多いでしょう。 病院で見るとか、一人で見るとか、いろいろ自分に重ねられるようにもなっていました。 そういう意味で、ダブルに余韻を残せたと思います。 朝ドラの主たる視聴者はお年寄りが多いようなので、そういう人達にも配慮されたようなラストでした。 夏木編は、一貫してお年寄りに配慮された内容で、視聴率をキープしました。 最終回の視聴率が気になります。 多分、月曜か火曜に分かると思います。
今回、奈津の切なさが心に残りましたが、尾野編の最終回の千代さんも切なかったです。 ボケて善作さんの幽霊にお酌する千代さん・・・お迎えが来たと感じた人も多かったようです。 ちなみに、千代さんのモデルのハナさんも91歳まで長生きしたそうです。 ハナさんは、昭和55年に亡くなられたようです。 尾野編最終回のだんじり祭りは昭和48年だったので、その7年後くらいですね。 だから、厳密に言うと、あれはお迎えではなかったでしょうけれど、ドラマなので、どちらでもいいでしょう(^^;)
さて、このドラマ、ヒロインを誰が演じたかで、3部に分かれると思います。 第1部(1週間)・・・二宮星(あかり)ちゃん 第2部(21週間)・・・尾野真千子さん 第3部(4週間)・・・夏木マリさん 全部で26週です。 そう考えると圧倒的に殆ど、尾野さんなんですが、最後を演じたせいか、夏木さんの印象も結構あります(^^;) 第1週の二宮あかりちゃんは、とにかく可愛いくて、演技がとても上手でした。 ただ、第2部で、直子役を再度やった時はセリフも少なくて、三姉妹一緒に扱われる事が多く、目立ちませんでした。 第1部、とにかくあかりちゃんの糸子が可愛くて、掴みはOKでした♪
第2部、尾野さんの糸子はあかりちゃんのイメ-ジをそのまま大人にしたようで、男まさりで、だんじりと裁縫が好きで、尾野さんに嵌まり役でした。 今までのヒロインのイメージを打ち砕いたと思います。 綾子さんは岸和田出身でバイタリティーに溢れる方なので、雰囲気も合っていたと思います。 ストーリー展開も早く、ヒロインを持ち上げず、画期的でした♪ でも、第3部で偉そうになってしまって、少し残念でした(汗)
第2部で一番問題だったのは、不倫問題でした。 相手のTさんを北村(仕事関係)と周防(恋愛)の2人の人物に分けるという形で、不倫を朝ドラに取り入れました。 私が読んだ本「綾子とあかい糸」によると、Tさんは組合で知り合った地元の人で、同棲生活は20年近く続いたそうです。 でも、周防さんは長崎出身の人にして、奥さんは原爆症という重い荷物を課しました。 糸子は周防さんと一緒に暮らす事はなく、ただ店に雇っただけで、新しい周防の店をオープンさせ、それが元で別れたという形で、早々に決着をつけました。 ズルズル引きずるより良かったでしょう。 不倫編、朝からかなりドロドロ描き、ここまでしていいの?と冷や汗ものでしたが、視聴率はよく、最高視聴率も不倫編でした(^^) 女性は、恋の話が好きなのかもしれませんね♪(^^)
子育てはイマイチ深く描かれませんでしたが、綾子さん自身が子育て放りっ放しで、父親のように自分の背中を見せるタイプの人だったようなので、仕方ないかもしれません(汗) ただ、実際の綾子さんはポイントポイントは押さえていたようです。 それがイマイチしっかり描かれず、子育て編は描き切れていなかったかもしれません。 綾子さんは度々海外に行き、国際的に活躍した娘さん達を海外でサポートしたエピソードも沢山あります。 朝ドラの限界で、そういう国際的に飛び回る糸子ではなかったので、残念です。
特に、第3部の夏木さんの晩年編。 綾子さんは70歳過ぎても、世界を飛び回って娘達をサポートしています。 亡くなる5ヶ月前にもジュンコさんのショーを見に、中国・北京へ行って、舞台に上がっています。 でも、夏木編の糸子は、一般的なおばあさんでした。 夏木編の最初の頃、私はこの大きな変化に違和感を覚えました。 見た目はどうでもいいんです。 一般的に、年を取ると、スローペースになり、話すのもゆっくりになるでしょう。 でも、これは糸子じゃないし、晩年の綾子さんとも違うのではないかという疑問。 そして、話の展開もやたらスローで、1~2週間でできる内容を1ヶ月に引き延ばしたのではないかと思う位で、普通の朝ドラになってしまいました。 本当はどうだろうと知りたくなって、遂に、本を買ってしまいました(汗)
以前、孫の里香が本当にヤンキーだったかどうか話題になりました。 ドラマ放送の後、ヒロコさんが作り話だとスタパ出演時に言ったそうです(私はそのスタパ、見忘れました)(汗) ただ、私が買った本には、ヒロコさんの次女のユマさん、高校時代から荒れ、文化服装学院の在学中に出席日数不足やレポートの不提出等で落第になりかけたのを、休学させて糸子が預かり、売り子をさせて立ち直らせたと載っていました。 岸和田に来た時、最初に ユマ「おばあちゃん、よろしくお願いします」と、畳に手をついて挨拶したそうです。 だから、ヤンキーではなかったのでしょうね。 ジャージも出てきません(笑) 綾子「あんた、本当は素直なええ子やから。ま、頑張り」 と言っただけで、翌日から自分の元で働かせ、2ヶ月後にはもうよくなって帰ったそうです。 お陰で、無事、復学して卒業し、その後、ロンドンのミチコさんの元や、パリで更に修行を積んで、デザイナー・デビューしたそうです。
病院でのファッションショーも宝塚市民病院で実際にやったようです。 そのモデルの中には「癌友達です」と言いながら、2人で手を繋いで出てくる人もいたそうです。 勿論、“奇跡”なんて出てきません(^^;) 朝ドラらしい押し付けがましい話になってしまいました(汗)
また、階段から落ちた事も2回あったそうです。 一度は昭和59年1月、旅先で階段から転落して、13針縫う大怪我。 でも、翌日の自分の本の出版記念パーティーにハイヒールを履いてイブニングドレスで出て、悪化してしまったそうです(汗) もう一度は、同年9月、ヒロコさんの自宅の階段から、酔っ払って転落。 ギブスを嵌めて、2ヶ月の入院生活だったそうです。 やはり普通、入院しますよね(汗)
とにかく、尾野編も夏木編も、いろいろ本当のエピソードは多いのですが、 夏木編、綾子さんらしくない展開なんですよね(^^;) もしも、尾野さんのイメージで糸子を続けていたら、もっと活動的になって、本当の綾子さんに近かったのではないかと思います。 年をとっても、じっとしていられない方だったようなので。 夏木さんは、一般的なお年寄りを演じていらっしゃったと思います。 それが最初の頃は、ババ臭くて嫌だと思いましたが・・・ この夏木晩年編は、綾子さんのエピソードを使って、一般的な老人問題を描く事がテーマだったのではないかと、後半、思うようになりました。 そう考えると、夏木さんの70代、80代、90代と変えたババ臭いゆっくりとした話し方と動きもむしろ褒めらるわけです。 孫との関係。 一人暮らしの寂しさ。 老いへの不安など、朝から老人問題に真っ向から取り組んでいたと思います。 でも、それは私には興味のない話でした。 最後は、一人寂しく、車椅子で朝ドラを見る奈津。 夏木編らしい最後のシメだったと思います。 全体としても、奈津と糸子の友情がクローズアップされて良かったと思います。 華々しく光を浴びて朝ドラにまでなった糸子と、それを見守る無名の奈津。 その対比が良かったです♪ 最後が江波さんだったら、凛々しくてまた違った印象だったかもしれません。 普通のおばあさんみたいで、余計に切なかったです。
好みは人それぞれですが、私は尾野編で終わりの方が良かったです。 夏木編は別のドラマだったので、こちらのファンも沢山いらっしゃるでしょう。 ただ、最後の奈津がドラマを見るシーンだけは、私も良かったです♪(^^) 総集編、どの位の割合で、編集されるのか気になります。 ご愛読、ありがとうごました♪(^^) 『梅ちゃん先生』もよろしくお願いします♪(^^)
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