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2005.06.27
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テーマ:愛しき人へ(903)
カテゴリ:秘密の傷跡
彼は、出会った時からアタクシをじっと見つめてくれていた。

九つの時、異国での武芸の試合後、遊び場へ向かう途中、気がついたらずっと年上の、十二才の彼がアタクシ達の後をつけてきていた。

無視して遊んでいると、近くまで来て黙ってアタクシだけを見つめていた。

アタクシはそれに気付かない。気付いたのは、仲間達。

ジャジャ馬なアタクシは「なんなのよっ」とばかり突っかかった。彼は、静かに、「君に話しがある」、そう言った。

アタクシは周りの仲間にひやかされて、恥ずかしくて、きまり悪くて、さらにとんがった。

「知らないわよっ、ついてこないでっ!」と冷たく拒否した。

それでもついて来る。アタクシだけを見つめて。

仲間にもっとひやかされる。仲間もおっかなびっくりだ。アタクシ達が小学四年生なら、相手は中一なのだから。ほとんどオジサンだ。

でもアタクシは、変な時に勇気が湧く。

「こんどついて来たらけっとばすからねっ!」と睨みつけても、彼は少し微笑んだだけだった。そして、まだついて来る。

引き下がれない。これがアタクシの泣き所。

「ほんとにけっとばすからねっ!」とまた睨んでも、彼はまた微笑むだけ。素直に好感を露にしてくれてもアタクシはとまどうだけ。

「ねえ、」と切り出した彼のむこうずねを力任せに、思いっきり蹴った。これは、弁慶の泣き所。彼はびっくりしてうずくまる。

アタクシ達はきびすをかえして全速力で逃げる。

彼がアタクシを眼に止めたのは、その数時間前。

でもこれが、幼いアタクシの彼との衝撃的な出会い。





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Last updated  2005.08.12 16:38:59
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