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[映像・庭のブラックベリー] ブラックベリーは本来雑草だ。これを実をつけるまではやしていては失格... なのだが、老桜のもとにはえている。 今朝フレッシュ・ミント・ティーをいれようと庭に出た。肌寒くて、ブルッとした。晴天の下、風が涼しく、草におちた露が冷たかった。今朝は18度。 ミントはスピアミント、ペパーミント、アップルミント、シナモンミントなどと、数種あるので「ミント畑」と呼んでいる。別に手入れもせず、ボウボウにはやしてあるだけなのに元気に育っている。友人Bは「踏めば踏むほどはえるのよ」というが、本当に勢いが凄い。 そのミントを少し切っていたら、小さな犬をつれた近所のオバアサンが立ち止まった。 「あらーっブラックベリーじゃない、都内じゃ珍しい、ちょっといただいていい?」とばかりにつみはじめた。アタクシは実がなっていることさえ気付いていなかったので、好きなだけ取っていただいた。 オバアサンはアタクシにおしゃべりしながらそれを「あ!おいしい!」とつんでは食べ、つんでは食べていた。だがブラックベリーのとげはとても痛い。 彼女は鋭い事を言った。 「人生ってブラックベリーをつむのに似てない?簡単に届く所のブラックベリーは素早くよく味わないで食べちゃって、それから茂みの中の大きな水々しそうに熟したブラックベリーをねらって、いっくら体をよじっても背伸びしても届かなくて、とげにいやってほど刺されるじゃない。でも無理をして、どうにかそのお目当てのブラックベリーに手が届いて、ああよかった、って喜んで、いざ食べてみると最初に急いで食べちゃったベリーほど甘くも美味しくもないことがあるわよねぇ。」 彼女はちょっとブラックベリー色に染まった口で微笑んで、犬と一緒に公園へと向かった。アタクシは、朝露に濡れたミントの葉を一つかみ握って、しばらくその後ろ姿を見送った。 - - - 午後から、週末の旅行。今朝のオバアサンに習い、じっくり味わわねば。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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