カテゴリ:不真面目文学
[映像・二軒先の庭のひまわり] 隣近所に、前庭ぎっしりひまわりの花を咲かせている家がある。サンサンサンととてもにこやかな感じでとても好きだ。 昔、ひまわりの演出が華やかな絵本が大好きだった。山ほどあった小学館の絵本の一冊だったと思う。 たしか、灯台で暮す少女が、ある日波打ちぎわで、しぼんだ風船についている封筒をみつける、という話だった。その封筒の中にはひまわりの種と、「大事に育ててください」という知らない少年からの手紙が入っていた。 母の手を借りてその種を植えて、新芽を必死で鳥からまもったりして熱心に育てる。 ある日、ひまわりがだいぶ大きく育ったころ、大嵐になる。少女(「ゆうこ」だったかもしれない)はひまわりが倒れてしまわない様に、暴風雨の中ずぶぬれになりながら、一生懸命ひもでしばる。 このシーンがとても印象的。ページをめくると、それまで明るかった絵柄がいきなり灰色のドンヨリで、必死に口をへの字に曲げて、首が痛くなるまでビショビショで頑張っている少女の表情を応援した。黒く横殴りに降っている雨が残酷だった。 そしてひまわりは無事だったが、「ゆうこ」は熱を出して寝込んでしまう。 やがて病気が治った少女とその母と、ひまわりから取れた種を封筒にいれて、いくつもの風船につけて灯台だら飛ばす、という話だった。 大好きな絵本だったが疑問が随分あった。主に、この風船が問題だった。 なんでもやってみちゃうアタクシは四才か五才のころ、風船をいただいた際にこれの真似事をしてみたのだ。母に風船をふくらましてもらって、「種」のつもりの雑草の実を折り紙に包んで、小さなメモ帳にアタクシの名前だけ書いて入れて... もちろん絵本の絵の様に空高く飛ばなかった。ヘリウムじゃないのだから、あたりまえだ。幼心に、落胆した。 でも、数日後しぼんだ風船とそれに未練たらしくついていた折り紙の包みは、絵本で少女が見つけたそれとそっくりで、ちょっと嬉しかったのを覚えている。 - - - 明日の朝からアルパイン湖でキャンプ。氷河と、高原の花が楽しみだが、花観には今年のキャンプはちょっと遅い。もっと楽しみなのがメイやオイの顔をみながら笑顔が止まらない祖母の顔。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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