カテゴリ:料理
のどかな日曜。風が涼しく空が高い、秋の香り。
ムーミンはこういう日、朝早くからいそいそと青果市に出かける。五月から十月の中頃まで毎週末行われるファーマーズ・マーケット。集まる農家の方から直接、無農薬有機栽培の野菜や果物、無添加・無着色のお手製ジャムなど色々買える。 五月に始まるころは苗木やパン、早期レタスなどしかなくちょっと寂しいが、七月の中頃からとても活気づく。九月にもなると最高潮。食欲の秋! 今朝もお供をしてきた。アタクシはここでちょっと怪しいことをさせられる。 値段が閉口するほど高いがトマトが最高においしいトマト・スタンドがあり、そのトマトはエアルーム・トマトなど十数種類、紫、オレンジ、黄色、黄緑、まだらと色々すばらしく輝くトマトで味も濃くて華やかで最高。 だがこのトマト・スタンドのおじさんがちょっと変わっている。冷たい雨でも、激暑で地面が焼けついていてもいつも裸足。髪はボウボウ。首の回りはビーズじゃらじゃら。まあ、ヒッピーなのだ。優しい顔の気のいいおじさん。これはこの市場でそう不思議ではない。 だが、若い女性がトマトを買いに寄ると、異常な量を「おまけ」してくれてしまうのだ。容姿には関係なく、必ずどこかを褒めてくれながら「あ、これも、これも是非トライしてほしいな、こりゃぜっぴんだよ、ああ、こっちもいいな、君の目は奇麗だね、だからこのとっておきの大きな紫の子もあげよう」という具合で、店をはなれるころには買った倍の量をかかえてヨタヨタと出てくるありさま。ついている値段が異様に高いのはこれを賄うためかもしれない。 ちょっと貧乏性の大親友Bなど、わざとこれをねらって行き、最初から目的量の半分しか買わなかったりする。 アタクシはこれがちょっとキモチワルイ。変に付け入ってるみたいでいやなのか、このおじさんの「おまけ」具合が普通じゃないのでいやなのか、判らない。目つきがイヤラシイとかそういう危ない行為は一切無いのだが、なんだか気味が悪い。 ムーミンはこのおじさんのトマトが大好き。そこで、二人で行くと必ずアタクシをこのトマト・スタンドに行かせる。「やだぁ~そんなの水商売みたいでやっ!」とだだをこねても無駄。 まあ、役に立つのはこれくらいなのでがまんしてトマトおじさんの店に向かうことにしている。 トマトは、やはりこの市場で買った新鮮なバジルと、「あたしがお乳しぼったのよぉ、ほっほっほ」の羊飼いおばさんが作ったフェタ・チーズと、甘い玉葱と、緑に濁るコールド・プレス・エキストラ・バージン・オリーブ油でサラダに。荒コショウとフリュール・ド・セルで仕上げたらおいしい~っ... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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