テーマ:ささやかな幸せ(6742)
カテゴリ:宝物
[魔除けの芸術品] これに見入ってしまうのは、やはり魔物であるがゆえなのだろうか。 不思議な紅いガラスで、玉の内部にガラスの繊維が垂れて見える。小さなメロンほどの大きさ。両手で持つとずっしり重い。オフィスの窓に吊るしてあり、こう夕日が差すとさらに不思議な色になる。 窓につるしておくと、外から入り込もうとする邪悪な霊を封じ込んでくれるそうだ。これに魔物が見惚れて、そのまま中に吸い込まれてしまう、というちょっと怖い伝説がある。 魔物用ゴキブリホイホイの様だ。 古代ローマに使い始められたという説がある。そして中世時代、欧州各地で魔女狩りの悲劇が繰り広げられていた頃にまた流行り出し、その後、18世紀のイギリスやスコットランドでは色ガラス製や反射ガラス製のボールがインテリアや庭の飾りとして楽しまれていた。色ガラスの物は魔物を吸収し、反射ガラスの物はそれを跳ね返してくれる、という説だ。 ウィッチボールの魔除け効果信者の一部は、自作の物を年に一度、家の近くに埋めるそうだ。結構簡単に出来るらしい。ガラスの瓶に半分ほど、鋭い物、例えば針や割れたガラスの破片などを入れて、さらに液体を注ぐそうだ。油や酢が一般だが、自分の尿を使うという説もあるらしい。そして庭に埋めると、向かい来る鋭い妖気を反射してくれるそうだ。どうなのだろう。 もっと簡単な方法も伝えられている。瓶に毛糸や紐をゴチャゴチャと入れ、窓際に置いておくと、吊るしたウィッチボールと同じ様に魔物を絡めとってくれるそうだ。 他に、木製、草製、小枝製の物もあるらしい。 現代のxmasのオーナメントの数々はすべてこれらの進化した姿とされている。ある民話によると、ツリーの下のプレゼントに嫉妬する客人の嫉みを防ぐために、ツリーにウィッチボールを吊るす習慣が生まれた、という。 そして、通称「ウィッチボール・witchball・魔女の玉」とは実は「ウァッチボール・watch ball・警戒の玉」の転訛であるらしい。 何にしろ、仕事中、山ほどの書類からふと顔をあげると、この紅い玉の謎めいた輝きがある。 - - - この田舎町で活躍している若いガラス工芸者数人、彼女らの作を宝物にしている。若い女性が凛々しく美術に励む姿は心の底から応援したい。美しい物を譲りわけてもらう。それで応援できるなら、容易い? - - - ガラス好きな方は「夢と希望・ガラス細工」 、「海を越えるガラス玉」もどうぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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