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2006.03.03
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カテゴリ:不思議な友
ありがとう。

昨日という日、やりきれない、ダメだ。

そう思って家に帰ったら、にぎやかな花束で大騒動。

アジサイ・デルフィニウム・カサブランカ・スナップドラゴン・ガーベラ。

なんて華やかで、なんて思いやりに溢れてて。

昨日二度目、泣いちゃった。

タリア。

覚えていてくれたなんて。

信じられない。他には誰も、誰一人も、覚えていてくれなかったのに。

父でさえ、電話もかけてこなかった。まぁ、かかってこなくて有り難くもあったんだけど。

十年経っても、まだこんなに深く、癒えない傷。

この喪失だけは... 永遠に慣れる事はないであろうこの痛み。

でも、きっと私は、すぐ慣れちゃって平気な顔してるヤツ、皆にはきっとそう思われているんだ。

ありがとうね。

「そうじゃない」って、敏感に見破ってくれた洞察力、心を悟ってくれる優しさ。

ありがとう。




- - -
今日届いたお礼状。

十年前、友人Rのお母様が急病で亡くなった。

月曜が十周忌だった。

本当は、一緒に過ごしたかったのだが、Rは遠い都市に住む。

なので、心を込めて花を贈った。

Rのお母様は、花が好きだった。

悲しみのあまり国を離れたRは、ロンドンで毎日歯を食いしばって暮らしていた。

一周忌には、切ない思いを書き綴った母親宛の手紙を焼いて灰にした。

そして、母親が特に喜んだ花を抱えきれないほどの大きな花束にした。

花束を持ち、手紙の灰も持ち、ロンドン橋の中央へゆっくり歩いた。

そして、泣く泣く、花束と灰をテムズ川に投げた。

「もしどこか、思いが伝わる所にいるのなら、川から海へ、海から空へ、これでどうにかして伝わった、そう信じることにした。」

いつか、アタクシにだけそっと教えてくれた秘密。

すっきり喜べない結婚式愛を育てる努力・小さな結婚式にも登場する親友のR。

桃の節句なので、花の話。







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Last updated  2006.03.03 16:23:00
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