テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:そこはかとなく
何気なく危険な喫茶店で、テーブルがいつの間にか回ってしまっていたり、上下に浮沈したり、壁にめり込んだり。
その不気味なカフェで、初めての人は叫び声をあげて驚く「それ」とは!? 「それ」はもちろん(?)、お手洗いにある。 知らない人が、「ちょっと失礼...」と席を立つと、常連の者は密かにワクワクしてしまう。その初心者がもうすぐあげると思われる悲鳴を期待して。アタクシ達、酷い。 古屋敷を改造したそのカフェ、お手洗いは二階。 その二階に続く階段は、ちょっと暗くて、ちょっと狭くて、ちょっと長くて、ミシミシなる。 薄暗い階段を上がって行く。昔々そこに住んでいた家族が、毎晩、寝室に上がる時にそうした様に。 ミシ。ミシ。 人の家の二階に上がって行く様な、まるで無断で侵入して行く様な、淡い罪悪感がちらつく。 本当にいいのかな? 振り向いてみる。下の喫茶店には楽しげな客がいる。 いいのよ、ねぇ? 階段を登りきると、やっぱり薄暗い、長い廊下があり、ドアが何枚もズラッと並び、どれがお手洗いなのかは... 一目では判らない。 下のカフェの軽やかな音楽、静かな笑い声、食器の触れ合う音、全部が遠く、ひっそりしている。 そろり、そろり、と薄暗い廊下を一人で恐る恐る進む。 本当に、間違えるとだれかの寝室に侵入してしまいそうな、入ってはいけない部屋に迷い込んでしまいそうな、そんな雰囲気。 で、やっと、ある。 ドアに小さく「トイレ」と表示。 あぁ~~よかった!と安心して入ると、そこには... 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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