テーマ:妊婦さん集まれ~!!(4770)
カテゴリ:不思議な友
注:お産の話です。デリケートな方はご遠慮くださいませ。
- - - やっと車を停め、受付のベテラン看護士の Dは息を切らし、ガーニーの足元のカーテンを分けて入って来てしまったのだ。 その時の彼の顔は、こう アタクシ:あ、は、は~い、D。 D: D~~~。 D: Dったらぁ! あ、ご、ごめんごめん。どう? 今子宮口が3センチだって。 3センチ?まだ、3センチ? なんだぁ、それ? さっきまでもう生まれる生まれるって... あわわ、D!一言多い!命惜しくないのか、おぬし? この時、Jを揉んでいた手がまたつったので、ブンブンブンと手首からふってみた。 あ、ごめんな、変わるよ。ハニー、具合はどう? その時だ。 カーテンの向こうから ばっち~~~んっ!!! ...平手打ちの音? 男性:いってぇ~~~~っ!! 女性:あんたのせいだっ!ば*やろうっ!!ぎゃ~!! 落ち着いて、ハニー! You're doing great! I! AM! NOT! DOING! GREAT!! YOU B*STARD!! ハニー!I love you!You're doing great!Really!! YOU DID THIS TO ME!YOU DID THIS TO ME!あたしがこんなになっちゃったのは、あんたのせいだぁ~~~!!! この間も「どすっ」とか「ばきぃっ」など、明らかに殴ったり打ったりしている音がして、時々カーテンが大きくゆれる。 あ~~~れ~~~。 今まで、Jに一生懸命で、集団陣痛我慢大会のBGMにしか聞こえていなかった様だ。 Dとアタクシは思わず顔を見合わせ、二人ともおメメ点々。 だが筒抜けなので滅多な事は言えない。 ハニー、ハニー、僕らはここにいるよ、大丈夫だよ。 なんだか急ににこやかになったD。あはは。 そう言えば、母がアタクシを日本で出産した時、スパルタの看護士に声を出す事を一切禁じられたそうだ。 あまりにもの痛みに少しでもうめき声が漏れると、ギロッと睨まれ、「そんな事じゃ!いい赤ちゃんが埋めませんよっ!情けないっ!声出してる余裕があったら!少しでも精神を引き締めて頑張りなさいっ!」 こわ~い。 その陣痛室は不気味なほど静かだったそうだ。 ちなみにJと一緒に来たこの同じ女性医学専門病院で、アタクシの母は末の妹Eを生んだ。 姉妹三人分の美貌をすべてかっさらって生まれて来た可愛い妹Eである。 彼女は家族で一人だけ日系二世。姉二人は日系一世。 不思議な家族構成になる。 母が妹Eを抱いて病院から帰って来た時の事を鮮明に覚えている。 幼心にも、「ほかほかの赤ちゃんを抱いて笑顔で帰ってくるんだろうなぁ~」などと思っていたが、母の顔を一目見てびっくりした。険しい顔で大憤慨している。あれぇ~。ピアノの練習をサボってたの、バレたかな?やっぱり? 日本では産後一週間ほど病院で過ごすので、今回もそのつもりでいた母だったが、三日目で退院させられてショックだったそうだ。 「あなたの時はまずあのこわい看護士さんでまいったでしょ、でね、もう昔の話だから今はどうか判らないけど、日本じゃ生まれたての赤ちゃんとずっと一緒なの、おむつも授乳も全部するし、夜中に泣いたら他の人にご迷惑おかけするのはダメでしょ、クタクタなのに一生懸命あやすのよ、まぁ後になったら『一週間も面倒見てくれて有り難かったわ~』って思うんだけど、ココの病院じゃまた全然違うじゃない、赤ちゃんは会いたい時とか授乳の時に連れて来てくれるけど、その他はぜ~~~んぶやってくれるのよね、おむつもお風呂も着替えも何から何まで、それで赤ちゃん預かってくれてるからゆっくり眠れるし、もぉ~~極楽極楽なのよ、あぁ、さすが、これはいいわねぇ~~ってうっとりしてたら、それが二晩で急に終わりだなんて!そりゃね、きっとちゃんと説明してくれたんだろうけどお母さん理解してなかったのね、ショックだったぁ~!」 おっと。また脱線してしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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