テーマ:本のある暮らし(3285)
カテゴリ:不真面目文学
[画像・my favourite vonnegut] カート・ヴォネガットの不思議な世界に引き込まれたのは小学五年生の時だった。たまたま短編集に収録されていた物語の発揮するパワーに身をまかせ、その日は宿題もピアノの練習もせずこっぴどく叱られたけれど、満足だった。 ヴォネガットの名作「cat's cradle」を読んだ時も嬉しくて嬉しくて、寝転び足をパタパタさせながら一気に読み終えてしまった。より能率的な分子構造の「氷」、室温で凍ってしまう「ice nine」のため水不足になってしまった地球に住む残り少ない人間の話である。 ページ数が乏しくなってくるにつれ、「最後はどうなっちゃうんだろう?」という好奇心と、「いつまでも終わらないで欲しい」と切実に願う思いに引っ張りだこになり、はやく読み進みたいのか最後の数ページをいつまでもとっておきたいのか自分でも判らなくなってしまった。 それほど重度に惚れ込んでしまったアタクシ、その週末に図書館に飛んで行ってヴォネガットの作品を手当たり次第全部借りて帰り、息もつかずに立て続けに完読した。 (なので全作品の記憶がちょっとゴチャ混ぜになっているらしいのだが...?) 面白可笑しく奇想天外な物語を綴るヴォネガットだが、彼の作品は全て、寛大な愛情のこもった平和呼びかけ文でもある。皮肉豊富なスタイルで心に深く深く響く言葉、ヴォネガットの大好きな作品を、これからも末永く大切に読み返して行く事だろう。 peace. - - - "i wish nixon were president. bush is so ignorant. and i don't like idiotic, impulsive people." ー kurt vonnegut, quoted in Rolling Stone お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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