テーマ:暮らしを楽しむ(387682)
カテゴリ:料理
洋館は昔は奉行屋敷であったり、築百年ほどの豪邸が軒を連ねる「史蹟区」と指定されている地域のど真ん中を陣取っていたりするが、実はけっこうオンボロだ。
中は埃だらけだし。なはは。 修理が手におえない場合(=いつも)大工の友人が週末に手伝いに来てくれる。気のいい大男Gおじさんは一人暮らしで、美味しいコーヒーが好物で、案外?美食家だ。 アタクシはGおじさんの大きく器用な手が大好きである。ムーミンの手も大きいが、柔らかでスベスベだ。Gおじさんの手はタコだらけで毛むくじゃらで、職人魂のこもった素晴らしい手だ。 この頃も随分お世話になっている。 ムーミンはGおじさんから色々教わり、見習い小僧の様についてまわる。日曜大工をする父親を子供が一生懸命真似ている様でアタクシはつい笑ってしまう。 Gおじさんはなぜか洋館での昼食を大喜びで豪食してくれる。 何を出しても「this is sooooo gooooood!!」と目を丸くしながら食べてくれるので作りがいがある。まぁ、力仕事の最中に食べる物は何でも美味しく思えるのであろう。 「タリアちゃんが作ってくれるお昼は世界で一番美味しいよ!」と毎回円満な笑顔で言ってくれるのだが、実は洋館で料理が得意なのはムーミンなのである。 ムーミンがご飯を作った日にはグルメのGおじさん、きっと洋館に引っ越して来てしまうだろう。 だが、○○もおだてればなんとかで、こう喜んでもらえると余計張り切ってしまうものだ。今週末はちょうどイチゴがたくさんあったので、おまけに「イチゴ・オレンジ・マフィン」を焼いてしまった。このマフィンの秘密は、イチゴのスライスが豊富に入った生地の真ん中にさらにイチゴ・ジャムが「とろん」と入っている事である。 三時のおやつに焼けたてホヤホヤをコーヒーと一緒に持って出ると、案の定歓声をあげていくつもいくつもあっと言う間にたいらげてくれていたのだが、その最中、偶然に電話局の職人さんが二人チェリーピッカー(...日本語で何と言うのだろう?)から下りて来た。何かの点検らしい。土曜なのにご苦労様である。 もちろんこの職人さん達にもマフィンを召し上がっていただいた。 「おーまいがっ...!あったかい!」 「こ、このレシピ、いただけますか? 何が入ってるんです?? 何故こんなに美味しいんです?」 たかがマフィンで大の男が何人もそろって骨抜き状態になってしまっていいのだろうか。 「やぁ~~、ここの旦那さんラッキーだなぁ~」なんてつぶやく職人さんに、ムーミンはマフィンを頬張ったまま無言でバスケットを差し出し、追加をすすめていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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