カテゴリ:秘密の傷跡
si volveras o si me dejaras muriendo だが急にその凍り付く様な夢を見なくなった。去年ごろから。 怖くも深く深く悲しくもなく、ただ嬉しく楽しい夢を見る。 初めての時、やはり目覚める前から涙をポロポロと流していた。 皆でわいわいけらけらと笑談していると、いつしか何かを期待するそわそわとした雰囲気になり、「あぁ、亡き彼がもうすぐ来るんだ」と誰が言うでもなく伝わりアタクシもわくわく楽しみになり、やっと亡き彼が昔の姿のまま登場すると胸が破裂しそうに嬉しくて嬉しくて 生きてたんだ! あのお葬式も、あの悲しみの日々も、何かの間違いだったんだ! 生きてる! あぁ、よかった! あぁ、願いがかなったんだ! と嬉し涙がぽろぽろぽろぽろこぼれて、普段まったく泣かないアタクシが泣いているのを見てみんな不思議そうな顔をして、亡き彼も「なんだよ、何また泣いてるんだ、かわいいヤツめ」みたいな事を言いながら涙を拭いてくれて、それからはアタクシ達いっそうはしゃいでたわいない話をしながらすごしている時にいつの間にか目覚めてしまった。 亡き彼がごく自然にそこにいた。 もうはっきりと思い出せなくなっていた声が聞こえ、あの悪戯っぽい笑顔もあり、あの笑い声、笑い上戸のアタクシが聞いただけでつられて笑ってしまうあの笑い声がよみがえった。 なのに目覚めてしまった。 また失ってしまった喪失感に襲われ、早朝シャワーを浴びながらさめざめと泣いてしまったけれど、それでも楽しい一時をまた一緒に過ごせた事がこれ以上なく嬉しかった。 いつか天国で出会ったらまずコテンパンにする決心はどこへやら。 そしてやはり、あれほど言いたい事はまた言わずじまい。 そんな事はよかった。悲しい中、なにかが軽くなっていた。 その朝運転するムーミンの横顔を眺めながら、あんな夢を見てしまってムーミンに後ろめたい思いがちょっぴり沸いたけれど、その時、蒼天から稲妻(?like a bolt out of the blue)とコチラでは言うのだが、その様に急に、ある事に気付いた。 いつからか、何よりも、何よりももう一度亡き彼に逢いたい、と願う事がなくなっていた。 もう、ずっとずっと前から。 比べる事自体に心が敬遠していたのかもしれない。 何よりも失いたくない大好きな人は、今隣にいる。 それはきっと、アイツも知っている。 きっとずっと前から気付いている。 アタクシよりもずっと前から。 ねぇ、bienamado。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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