テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:洋館の毎日
[画像・復旧] 引っ越して来た時、豪邸だらけの街並に、一軒目立って荒れ果てている屋敷が気になった。まるで廃墟の様な大きな屋敷。 ガラスは割れ、屋根は崩れかけ、庭は雑草がぼうぼうだった。雨の日には、昔は誰かが磨いていたであろう床に水が漏っているのだろうと思うとやはり気になった。 だがつい最近、その屋敷が少しづつ修理されている事に気付いて嬉しく思った。 誰かが買い、取り壊さずに修繕している。気が遠くなる程の努力が必要だろう。どんな人なんだろう。 友人の市会議員とパーティーに行った時、この話題があがった。そしてびっくりした。 二十年以上前、強姦殺人罪に問われ、終身刑の判決を受けていた男性がいた。それが数年前、新しくDNA鑑定により、それは実は濡れ衣であり彼は無罪である事が発覚し、世間を騒がせた。 毎日どんなに悔しかっただろう。だれがどんなに謝罪しても、彼の二十年もの月日はもどってこない。国は賠償金として、先例のない莫大な金額を支払った。アタクシも覚えている。お金で済む事なのか。死罪になっていなかっただけ幸いなのだろうか。 その男性がこの賠償金で、遠いこの州で荒れ果てた屋敷を買い、趣味だった木工術を活かして修理しながら静かに暮らしたい、と市に申し出たそう。 胸が締め付けられる様な話。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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