カテゴリ:宝物
[画像・love at first sight] 貧乏大学生だった頃、古本屋街へくり出すのが大好きだった。 初版の掘り出し物目当てに、古い煉瓦の街並をうろうろするだけでわくわくした。 ついでに同じ並びのアンティック街でケースを覗き、古い古い万年筆を眺めるのも好きだった。 その頃ブランド物の万年筆なんて高いだけで珍しくもなく、興味なかった。 と、負け惜しみ。えへへ。 そんなある日、不覚にも、一目惚れした。 親友Bのアパートで雑誌をぱらぱらめくっていたら、つやつやの全面広告に目が止まり、ゴクリと息をのんだ。 モンブランの限定版の「アガサ・クリスティー」といい、その純銀のヘビ、その目にあしらわれたルビー、ゴシック調嗜好のアタクシはイチコロだった。 困った事にその広告には値段が掲載されていなかった。 B曰く、いくらですか?と聞かなきゃいけない値段=手の届かない値段、と相場が決まっている。 ごもっともです。 残念、と諦めようとしたけれど、やはり数ヶ月後、いつもインクを買いに行く万年筆ショップに足を運んでいた。インクなんてまだ一杯あるのに。 で? おぉ、あったあった! うぅ~。やっぱりステキ。 でもやっぱり値札がついてない。 こ、怖いよ~ しばらく手に汗を握り、他のペンを見るふりをしながら勇気をふりしぼり、やっと顔見知りの店員さんに恐る恐る値段を聞いてみた。 ぐっ... やはりおメメ点々になるほどの高値。 「そ、そ、そうですか。有り難うございます。」と力なくお礼を言うも、内心 え~ん... やっぱりね... とりあえず青いインクを買おうと溜め息まじりにレジに向かうと、その店員さんが慰めてくれた。 「高いですよね~、でもね、もしよろしかったら lay away (商品留め置き?)で少しづつお支払いいただいてもいいんですよ 」 え。 え~~~っ。 お言葉に甘えてそうさせて頂いても、払い終えるまで一体何年かかるんだろう。 残念だけれど、やっぱり、やっぱり、やめておきます... しくしくしくしく... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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