カテゴリ:不思議な友
死体を大きな袋に詰め、それを持ったまま久しぶりに実家に帰ったらしい。
そこで両親に「こらこら、こういうのは持って帰ってきちゃダメだって言ったでしょう?」らしきことを言われたので、今度はその袋を車に積んで妹だか姉だか(sister =年上なのか年下なのか聞かなかったのだけど)の家に転がり込んだらしい。 大袋の中身について姉(妹?)に色々な説明をしてみる。 「堆肥(?compost)用のミミズだよ」と言ってみたり。 大袋を乗用車のトランクに移そうとする前、「ミミズが出て来ちゃうと思う?」と聞く容疑者に、彼女は「大丈夫なんじゃない?」と答えたそう。 その後「実は中身は、偶然発見した死体なんだ」と言って袋を開けて見せたり。 そして姉(?妹)が警察を呼び容疑者は逮捕されるのだが、怒った両親が絶縁したのは... 娘の方。 「おまえが警察さえ呼ばなければ」なのだそう。検事長のK曰く、他の発言や行動を含めこの両親の人間性もよっぽど疑わしいらしい。 容疑者本人が「偶然に死体を発見」したのはこれで二度目。一度目はその二年前、森の中で「死体を発見した」という。 被害者はいずれも売春婦なのだが、近年その街では売春婦が二十名ほど行方不明になっている。Kによるとそのうち九名ほどはこの容疑者の被害に遭っているのではないか、と疑われている。 恐ろしい事に、その他数名は他に殺人者がいるらしくいまだに調査中。「あと二人ほどいる」とKは睨んでいるのだが。 毎日神経をすり減らして帰ってくるK宅の家に押し掛けてお世話になるのは気が引けた。だがKは「いや~♪ ムーミン達のおかげで家が明るくなっていいな~~♪」と、普段は早寝なのに毎晩夜遅くまであ~でもないこ~でもないと談笑していた。 Kは恐ろしいほどデキル人だ。なのに優しくて高慢の欠片もなくて一緒にいると会話が弾んであれよあれよと時間が飛んで行く。大学教授をしていた事もあるし、法律扶助事務所の所長だった事もあるし、数年前に出版した本もいまだにベストセラーだし、その本の後の著者紹介文を何気なく読んだら実はこの国のサイクリング記録を達成している、とあった。なにそれ。今まで知らなかった。 「いやいやいや、昔の話だから!」とあまり自分の手柄話をしたがらない。そんなKが「僕たち、似てるね」と言ってくれた時の嬉しさ。 いつもは一緒に早寝のワンちゃんもずっとそばで尻尾をふりふりふりふりしていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.04.06 07:46:20
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