テーマ:海外生活(7779)
カテゴリ:料理
飲茶ってうるさい程賑やかな物だと思っていた。チャイナタウンで評判のいい飲茶に行っても、ダウンタウンのちょっと高級っぽい飲茶に行っても、だいたい同じだった。
広東語しか通じないお姉さんやおばさんがカートを押してテーブルの間をまわる。キッチンからほかほかの点心を色々乗せて、はーがぅ~、しゅーま~い、などと呼びかけながら通る。そばのテーブルのお客が呼び止める声も大きいし、がやがや会話も賑やかだし、がちゃがちゃかちゃかちゃと食器が触れ合う音も半端じゃないし、仲間とテーブルをかこんで何?何言ってんのか聞こえな~いっ!て笑ったり。 安いけど美味しいって評判の店でさらにびっくりした事がある。やっぱり混んでるね、と十分ほど並んだのはいいけれど、 あっちのテーブルが開きましたからどうぞ! とおばさんに叱られる様にテーブルにつくとまだ前のお客のお皿やお箸などが並んでいた。忙しいからだね、とカートを押しているお姉さん達を眺めていた。テーブルが片付いてなくても美味しそうな物が通ったらそのまま頼んじゃう勢い。 まもなくさきほどの怖い?おばさん がきびきびとコチラへ向かってくるので、てっきり汚れたお皿を下げてくれるんだな、と思っていたらびっくり。 テーブル・クロス代わりに薄いビニール・シートが何層もかけてあり、その一番上の一枚の各角をつまんで がんがらがらがらがらがらがしゃしゃしゃしゃんっ!!! とそのままお皿をまとめてしまった! ちょっとちょっとちょっと。 は、はやいけどさ。凄い荒技。 ついでにアタクシ達のお箸やらお皿やらも がんがらがらがらがらがらがしゃしゃしゃしゃんっ!!! と殆ど投げて下さった。カシノのディーラーみたい。は、はやい。 色々な店にいってみるうちにまたまた違う事に気付いてしまった。 仲間に白人がまじっているとカートおばさんがアタクシ達を避けて通ってしまうのだ。 まぁ、考えてみればすぐ納得してしまう。だってアチラはまず広東語しかしゃべれない。コチラは慣れない点心の名前を広東語で言われたって何が何だか判らないし「中はなんですか?え?鳥?魚?え?」と何度も聞き返してしまったりするのでアチラからすれば めちゃくちゃ面倒くさい客 なのだろう。何度説明して頂いても判らなくて、顔を見合わせて「美味しそうだからいいか?」とそのまま頼む事もよくあったけれど、それが美味しかった場合後でもう一つ頼もうなんて無理だった。元々何だったか判らないのだから「アレをもう一つ下さい」だなんて言えない。まわって来たカートを横目でチラリ、と睨んで「これさっきのに似てない?」と頼んで大失敗した事も。 そして学生時代の最後だったろうか、初めてカート無しの飲茶へ連れて行ってもらった時またびっくりした。 ひっそり上品な雰囲気にたじたじ。あのがやがや喧噪の中で食べるんじゃないの? カートのおばさんはいないの? え?メニューから頼むの? びっくりしたけれどすぐ嬉しくなってしまった。だって好きな物を選んで持ってきてもらえる。カートを覗いて何が何だか判らないまま恐る恐る食べてみるのも冒険だったけれど、これなら中身が何でどう料理してあるのか予め判る。だいたい。不機嫌そうなカートおばさんに迷惑をかける事もない。 「カートあり」と「カート無し」でそれぞれナニナニ流、と名前があるのかもしれない。 アタクシはどちらかと言うとカート無しのメニュー派なのだけれど、ただ臆病なのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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