テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:秘密の傷跡
亡き彼には幼なじみの親友がいた。家が数軒しか離れていなくて珍しい日系人同士で物心がついた頃にはもう親友だったらしい。 小・中・高校も同じで二人とも同じ武芸を初めて、アタクシは試合で二人に出会った。 亡き彼のその親友はどっきりするほどカッコよかった。自覚しているのかいないのか、女性にはあっさり冷たかった。おてんばでじゃじゃ馬で男勝りのアタクシは何故かお気に入りでいつのまにか仲間になっていた。 もう昔々の話。まだ亡き彼と付き合い始める前の話。 アタクシがまだ中学生だったある日、いつもの様に長電話をしていると将来ボクたちはどういう生活をしているだろうね、という話題になった。オマエはじゃじゃ馬だからお嫁に行けてないね、きっと。と笑われた。 がははは!そうだね~、と一緒に笑っていると 「いいよいいよ。ボクが四十になってもキミが片付いてなかったら結婚しようね」と言われた。もちろん冗談だ。「約束だよ。ね?」 ばか~!とまた二人一緒に大笑いをしたけれども密かに嬉しかった。 数年年上だったあの人は今日で四十歳になる。 もう二度と会う事はないのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[秘密の傷跡] カテゴリの最新記事
|
|