テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:旅先
E が両肘を抱いてがくがく震えていた。気付くと、薄暗闇の中、アタクシ達は寄り添うように身体をくっ付けていた。さっき会ったばかりなのに。
予想以上に怖い。もう沢山だ、と目を瞑りたかった。同時に、始まったばかりの冒険にどきどきわくわくしていた。 そんなアタクシ達に目もくれずケリーはツカツカツカ、と大理石の踊り場に続くちょっとした広間に進み、「あそこだね」と近くの戸口を指差した。 白い踊り場を背に立つと左右に薄暗い廊下が延びている。 ケリーは右よりの戸口を指差している。よく見ると非常階段らしい。赤い表示ランプが点いている。 つい数秒前「花嫁の亡霊が立っている」と言われた踊り場に背を向けていると、背中に冷気が吹き付ける気がする。気がするだけだ、と自分に言い聞かせていると背後で 「...ひっ」 と気味悪い声がした。 - - - 続く あるいは、目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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