テーマ:こわーいお話(348)
カテゴリ:洋館の毎日
コンファレンス・レベルの踊り場で騒いでいたのは、先に進むのが恐ろしかったからだ。きっと。
踊り場は、左奥の廊下が明るいのでほんのりと光が差している。「黒い陰」と「栗色の巻き毛の少女」が出る左奥の廊下だ。下のメザニン・レベルとほぼ同じ踊り場だ。 薄暗い踊り場の右に見える赤いランプの非常階段の下には「殺された工事員」。 この右先にはあの真っ暗なエレベーター・ホールがある。アタクシが気味悪い経験をしたエレベーター・ホール。怖い。 暗闇からにじみ出る悪意を感じる様な気さえする。考え過ぎだ。ただ怖いだけだ。 あの奥にはボール・ルームがある。きっとさらに真っ暗だろう。Kが「出る」と言っているボール・ルームだ。どうしても行きたくない。行きたくない。暗闇の中、舞踏会の幽霊だなんて、まっぴらごめんだ。 ここに立っているだけで怖い事ばっかり。その上に ・「絶叫する女性」 ・「自殺の青年」 ・「遊ぶ男の子」 ・「首の折れた花嫁」 メモを取る手がそろそろしびれてきた。指が冷たい。もうイヤだ。 - - - 続く あるいは、目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|