テーマ:こわーいお話(348)
カテゴリ:洋館の毎日
あの雑音の件があったばかりで、E も K もまだ R君を小突いていた。必要以上に大きな笑い声をあげながら。
すると背後で ちん... と金属音が鳴った。 ひっ...! 見ると、電話ボックス。 う、 う、 う、嘘でしょ。 あの「花嫁」が電話をかけた直後にこの階段から落ちて死亡した、と言われている電話ボックス。 冷水をざっぱーーーん!とかけられた様に血の気が引いた。 後から気付いたのだが、この電話ボックスの件はメモに書いていない。きっとビビりすぎてそれどころではなかったのだろう。E と K がさっきまで殴っていたR君にしがみつき、三人とも目を見開いて電話ボックスを凝視している表情が今でもありありと浮かぶ。 まさか、と思ったけれど、ケリーは二つ並んだ電話ボックスを一瞥すると背中を向けた。 「じゃ、行く?」と先を示す。 アタクシ達、逃げるように暗闇の中へと向かった。 振り返ると、首の折れた花嫁が立っているんじゃないか。 おもしろ半分に古城ツアーなんてしているアタクシ達を恨めしく見ているんじゃないか。 勇気を出し、恐る恐る振り返ってみた。 ちょっと、ケリー、と言いかけたアタクシに、 「後で」 と釘を刺されてしまった。 後で...? - - - 続く あるいは、目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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