カテゴリ:日常
10月15日は「白い杖安全の日」です。
一口に「視覚障がい者」と言っても、障害内容は10人10色です。 ここでは、判りやすくするため、白い杖を持っている人についてお話します。 「いろんな視覚障害者」 全く見えない(全盲)人、光は感じる人、目の前の指の数はわかる人、メガネをかけて新聞の大きな見出しがなんとか見える人。 視力だけのことではなくて、視野。視野が狭いとか、視界の真ん中は見えないけど外側は見える人。 特定の色の区別が苦手なひと。などなどと多種多彩です。 (私は右目が失明、左目は視力はありますが、視野が狭いです) 全盲といっても、更に、失明時期(見えなくなった時期)がいつごろか?生まれながらか、若いときか、年老いてからかによっても、そのひとの行動には多様な違いが出てきます。 「街をあるくってことは・・」 いろんな視覚障害者が居ますが、困ることにはおのずと共通点があります。 そのひとつが「歩行」、つまり、街を歩くことです。 どんなに勘の良い盲人でも、慣れたところといっても、鉄道駅のホームは不安ですし、危険です。誘導ブロックが敷設してあってもネ。 それに、初めて歩く街、初めて訪れた建物…、 誰にお聞きすることもなくひとりで歩き、目的地に到達することはほんとに困難です。 建物の入り口って、これ、目が見えないとわかりにくいです。 慣れた街といっても、自転車が不用意に路上に置かれていたり、自動車が駐車してあったり、看板が置かれていたりして・・・。 雨の日や風の強い日では、耳で得られる、皮膚で感じる、街の音、雰囲気も異なります。 このように生きている町を、目の見えない私たちが歩くときは、とっても神経を使って歩いています。 耳に聞える音、車のエンジン音やひとの足音、などを聴き、肌に感じる風の具合で曲がり角を感じ取ったり、肉屋さんの店先などでは匂いも重要な情報源です。 「声をかけて下さい!」 街で白い杖をついている視覚障害者を見かけたら、遠慮なく声をかけていただきたいんです! 「手を貸しましょうか?」とか「何かお困りですか?」などというように、尋ねる雰囲気で声をかけていただければ嬉しいです。 もし、声をかけられた盲人が、自分ひとりで大丈夫だと思えば「ありがとう!大丈夫です」などと答えられるし、手を借りたければ「お願いします」と言える訳でして、自分の判断でお願いしたり、お断りしたりできます。 「どんな風に手を貸すの?」 声をおかけいただいて、「お願いします」と盲人に言われたら、あなたの腕か肩を、盲人に触れさせてください。 あんまり、盲人が強く腕などを握ったら、「もう少し軽く握ってください」と遠慮なく言ってくださいネ。 そして、歩くときは、あなた(目の見えるひと)が左に立って、盲人が右側で。 あなたが少し前(半歩ぐらい)を盲人の前を歩くかたちになります。 こうすれば、盲人は触れているあなたの肩や、軽く握っているあなたの腕の動きで、止まったり、段差があるということを感じ取れます。 段差や、階段の手前では、立ち止まって「上り階段になります」とか、「段差があります」などと声で教えてください。 歩く早さは、それこそ、盲人個々によって違います。 「もう少しゆっくり歩きましょうか?」などと、遠慮なく尋ねてください。 会話、言葉によるコミュニケーションということ、とっても大切です。 「特にこんな時は・・」 どんなに慣れているといっても、駅のホームは大変危険です。 白い杖を見かけたら、是非、声をかけて改札口なり、乗換え口まで案内してください。 横断歩道。音声で教えてくれる信号機は未だ数少ないし、押しボタン式の音声信号機など、どこがボタンかわかりません。 まして、このような音声信号の付いていない横断歩道。 私たちは、車が止まった音で判断してはいますが…。 やはり、「青になりましたよ。いっしょに渡りましょう」と、あなたのひと声は、うれしいし安心します。 建物の入り口や、お店の中もけっこうわかりにくいんです。 白い杖を見かけたら、どうぞ、お声を! もし、あなたが向かっている方向と違っていたりして、あるいはとても急いでいるときなどは、どなたか、同じ方向に歩いている人に、声をかけて、いっしょに歩いてくれる人を、盲人と一緒に探していただけるとほんとうに助かります。 タクシーを停めること、バスの乗車口…。これも、見えないとけっこう難しいのです。列に並んだりするのも意外に苦手です。 バスやタクシー乗り場で、列の後ろに並んだとして、前のひとが進んでも具合がわかりにくいんです。 駅の切符を買うのって、これが見えないと一苦労。お金の投入口や、ボタン。 点字で表記している販売機も多いけど、点字を読める盲人は、全体の2割強なんです。 お店。とりわけ、スーパーやコンビニ。陳列している棚の商品が判らないんです。 値段もね。お店の人に頼むことも多いけど、お客さんが多いときや、店員さんが少ないときなど、あなたの一声「手をお貸ししましょうか?」が、どんなに頼りになるか・・。 「いずれにしても」 いずれにしても、遠慮せずに声をかけてくださいね。 自転車で盲人の横をすり抜けるときには、「横を通ります」と一声。 自転車ってエンジン音が無いので、とても怖いんです。 急に横をシュっと通り抜ける。 不用意に路上にとめられている自転車や自動車。危ないです! 私たちは、見えません。 あなたのひと声で、私たちは安心できます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.20 18:32:34
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