かつては朝食とタ食だけの一日2 食が一般的でしたが、江戸時代中期、
夜になっても起きている人が増えると、昼食をとるようになり、一日3 食になりました。
朝食、タ食の間に軽いおやつをとれば、日中におなかがすいてフラフラになることはなかったようです。
一日3食が一般的になったのは、江戸時代中期でにぎわっていた江戸では、
道路が整備され、照明用の油や食料も流通。
夜勤をする武士や、夜遊びをする若旦那など、
暗くなっても起きている人が増えるとともにタ食の時間が遅くなり、しだいに昼食も食べるようになりました。
しかし江戸では一日3食どころか、なんと一日5 - 6 回食事をとっている人々もいました。
それが大工や左官など職人の独身男性たち。
軽食を何度も食べるようになったのは、いっぺんにたくさん食べると身軽に動けなくなるためだとか。
そして、自分で料理をしない独身男性たちの間で大人気となったのが、
さっと短時間でつまめる すし、そば、どんぶりめしなどの屋台。
江戸っ子の小腹を満たした屋台は、ファストフードの元祖なんです。
● 一度にたくさん食べても4 時間でエネルギー切れにちなみに現代人にとって、
一日3食は体のリズムをもっとも正常に保ってくれる食事スタイルとされます。
その理由は、人間の活動エネルギーのもととなる糖質を細胞に吸収させるホルモン、
インスリンが食後4 時間ほどで働き終わるから。インスリンの働きによって、
血液のなかの糖質、つまり血糖値が下がるとおなかがすくので、だいたい4 時間
ごとに食事をとるのが自然なリズムというわけです。
そのため、朝、昼、おやつ、晩と4 時間ごとに食べる習慣を守れば、
ホルモンバランスが整い、疲労感などが改善することも。
一方、一日2 食だと体は飢餓状態になりやすく、少しの栄養でもより多く吸収しやすい体質に。
たとえば、大きな体をつくる必要がある相撲部屋では、今でも一日2 食の伝統が残っています。
まず朝めし前に稽古をしておなかをすかせてからご飯を食べるなど、わざと体を飢餓状態にしてから
食べているそうです。お相撲さんにはぴったりの一日2 食です。
一般の人にとっては太りやすい体質になるもと。やっぱり1日3食がベストのようです。