基本的には洗わず、日光消毒や陰干しをする程度です。
じつは、まわしを洗うのは一種の「タブー」で、洗わないらしいのです。
相撲部屋に入門したら、先輩から
「まわしは親方衆が亡くなったときだけ洗うもの」
と指導されます。
それだけ、まわしを洗うのは特別なことなのです。
洗わない理由はいくつかあります。まず、締め込みは繻子という組織物で作る特注品なので、洗うと生地が傷んでしまうそうです。
また、洗うとのりが落ちて生地が柔らかくなり、相手にまわしを取られやすくなるともいわれています。
そして、もしまわしがゆるんで取れてしまったら「反則負け」になります。
取り組みの最中にまわしがゆるんでポロリは、即負けなのです。
ゆるみを防ぐためにも、洗わないほうがいいのでしょ。
ほかに、水を使うと水入り（長時間取り組んでも勝負がつかないときは中断し、もう一度取りなおさせること）、
つまり苦戦に通じるというジンクスもあります。
ここで気になる疑問が・・・。
洗わなくてもカビやにおいは発生しないのでしょうか。
かゆくなったりしないの？
洗えない革のプーツが汗で蒸れるとにおいを発することを思い出すと、心配になります。
締め込みは、本場所が終わった時点で陰干しします。
締め込みのほかに、稽古で使う木綿のまわしもあり、
幕下以下の力士は本場所でもこれを使います。
本場所の取り組みは数分でも、稽古は何時間もするため、
まわしはいつも汗でビショビショ。
ふだんは日光消毒し、最近はにおいがきつくなるとデッキブラシでゴシゴシ洗っているそうです。
しかしこれすらも、昔の力士から見たら信じられない光景だとか。
「防臭＆抗菌加工のまわし」を開発したら、売れるかも！？
相撲部屋に行くと、そこらじゅうにまわしが干してあるそうです。
何十本ものまわしがこいのぼりのように風にはためいている姿、一度見てみたいですね。
KennethPaimi@
