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探偵の愚痴をきいてください

探偵の愚痴をきいてください

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2006.03.31
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カテゴリ:探偵
朝の7時25分。赤いコンビニには、必ず一人の男がいたものだ。

出勤前に立ち寄るのが日課だからだ。
立ち読みをし、飯を買い、彼女に電話をかける。

数ヵ月前、数日間追尾したが、いつも同じ行動だった。

加藤さん、あれからどうしたろう。
彼女とは別れられたろうか。

そんなことを考えながら、井上さん(別の案件の男)を尾行していると、
なんと『赤いコンビニ』に立ち寄るではないか。

7時22分のことだった。

彼は、雑誌の立ち読みを開始した。
一瞬期待したが、加藤さんの姿は見受けられない。

だって、まだ22分じゃないか。
今にきっとに現われるさ。

自分に言い聞かせ、調査に集中しようとするが妙に落ち着かない。

7時30分。加藤さんは現われない。

さすがに懲りたか・・・。もしかすると、他のコンビニに変えたのかもしれないな。
それとも、離婚でもしたか?
首になった可能性さえある。

職場の女性社員に手を出してはいけないからだ。

世の中には、夫の会社にだって構わずに怒鳴り込む依頼者がいる。

『あら、社長さん、いつも主人がお世話になっております。
ところで、山田さんいらっしゃる?』
とやるのだ。

夫は破滅する。

かわいそうな加藤さん。
二度と会うことはないだろう。

井上さんは、なおも立ち読みを継続。


7時32分、意外にも加藤さんが現われた。

『遅いよ、加藤さん!!』
心配させられた腹いせに叫んだものだ。

加藤さんはお気に入りの雑誌を手に取り、立ち読みを開始する。

井上さんの隣で(笑)

ああ、私を媒体して、今この二人が交わったのだ。

本人達は知る由もない。
だが、それでいい。
今日は私にとって記念すべき日になった。

奇跡のツーショット写真が生まれたのだから。

本当は、二人にはニッコリしてもらいたかったが、
カメラに目線さえくれない(笑)

特に加藤さんがひどい!
やたら周囲を警戒して、キョロキョロしている。

だったら立ち読みなんてしなきゃいいのにね・・・

私は加藤さんに近づくと、おもむろに雑誌を手に取り、立ち読みを開始する。

加藤さんを中央に、私と井上さんが挟む。 

ああ、なんとスリリング。なんと幸せな瞬間。

私って本当に変わった野郎だ。
変人なのかもしれない。

そして、さらに思った。 誰か、スリーショット撮ってくれないかしら・・・





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Last updated  2006.03.31 19:27:10



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