なつみのＴａｐｄａｎｃｅ～目指せ美人道～

バレンタインデーまで後一週間。
ぼちぼち男も女もソワソワする頃だろう。

テレビでは、連日それ絡みのニュースが取り上げられているから、
興味がない人も意識せざる得ない。
今年は、まもなく開催のトリノ五輪人気も手伝って
より一層ムードが高まっているらしい。

先日見た情報番組でも、デバートのバレンタイン商戦を取り上げていた。
五千円もするチョコレートが飛ぶように売れているのを知って、
正直あたしは驚いた。

さらにビックリしたのは、
そのデパートでは、世界的に有名なショコラティエのチョコをたくさん扱っていて、
その中の一番人気は、一箱八千円もする物だということだ。


有名なショコラティエの作るチョコレートは、もはや芸術らしい。
そんなスゴイ物なら、一度は食べてみたいなあーなんて思って、
隣で一緒に見ていた夫に聞いてみた。



「ねえ、八千円のチョコレートと手作り、どっちがいい？」



「手作り。」



即答だった。



そうか、
わけのわからない外人のおっさんが作ったチョコは、
夫にとっては何の価値もないのだ。

そういえば、ある雑誌のアンケート記事でも、
男性側は圧倒的に手作り派を支持していた。

高級で有名なチョコレートが良かろうと思うのは、どうやら女性の方だけらしい。


不器用で不格好でも、
夫はあたしが作るチョコレートを楽しみにしている。

そう思うと、なんだか嬉しくなってしまって、俄然やる気が湧いてきた。


そんなあたしは、やっぱり単細胞だろうか。


結婚しても、バレンタインは年に一度の愛の祭典。


日ごろの感謝の気持ちと、変わらぬ愛を込めて、


週末、あたしは彼だけのショコラティエになる。








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