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カテゴリ:猫はなし
名古屋駅のホームを後にした。 せっかく大阪に転勤したのに、 やっぱり乗る列車は北陸本線『しらさぎ』で、なんだかいつもと一緒で損した気分。 2週間近く滞在すると、見送る方も見送られる方も、寂しい想いが募る。 窓越しに笑顔で手を降る母の目に、少し涙が浮かんでいるのを見つけると、こちらもスイッチが入ってしまう。 発車まであと3分。 名残惜しいと感じながらも、早く出発してよと思う。 涙をこらえているのがバレる前に。 あたしはもう、この四月で三十路リーチになった。 大阪⇔名古屋なんて、新幹線に飛び乗れば一時間で着く。 会いたくなれば、いつでも会える距離だ。 富山の時だって、同じ狭い日本にいるのだから たいそうに考えなくてもいいのだろう。 それを頭でわかっているからこそ、お互い涙を見せないように笑顔で手を降る。 今年、母は健康診断が再検査になり 『脳梗塞予備軍』の結果を言い渡された。 これは真剣に『禁煙』と『運動』を考えてもらわないといけない。 姉が調べてくれたフラメンコ、習い始めるよう口説かなければ。 先日、リンクさせていだいているhiroponさんの日記で 流れ星に唱える願い事について書いてあった。 あたしなら何を願うか考えた。 最初は、宝くじとか、海外旅行とか、お金絡みの事を想像したけれど 厳選していくと、ノロケでもなんでもなく 『今の幸せが続きますように☆』 というところに落ち着いてしまった。 夫、娘、母や姉、親戚、友人、ペット… あたしを取り囲む、 全ての愛する人達が(猫は人ではないが)、 誰一人欠けることなく健康で存在してくれているという幸福。 三年前に叔父を失い気付いた事だ。 当たり前の事だけれど、人は『いつか』死んでしまう生き物。 その『いつか』が、20年も30年も先ならいいけれど、 もしかしたら『明日』かもしれない。 『そんなわけない』と思いたいけれど、そうならない保証はどこにもない。 ホームで涙してしまうのも、心の奥底で『いつか』に怯えているからかもしれない。 だからこそ『毎日』がとても貴重で ありきたりの平凡な日常を過ごせることは とても幸福なことだと思う。 今度、流れ星を見たら、早口で頑張って言おう。 『今の幸せができるだけ長く続きますように!』 噛まずに言えるように、毎日練習したら 願いが叶うかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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